高学歴でも“あえて非正規” 「働くために生きるのは嫌」年収200万円の娘の人生プランにバブル世代の父絶句 #令和に働く #令和の子
非正規雇用者の現状
総務省『労働力調査 2023年(令和5年)平均結果』から、非正規雇用者の現状をみていきましょう。 同調査によると、2023年の雇用者は6,076万人。前年比で22万人増えています。そのうち役員を除く正社員は3,615万人で前年比18万人増、非正規社員は2,124万人で前年比23万人増という結果となっています(図表1)。 非正規雇用の年齢別の推移は図表2のとおりですが、図表3をみると、正社員としての仕事がなくて非正規雇用で働いている人(不本意非正規雇用)の割合は年々減少傾向となっていることがわかります。2023年における不本意非正規雇用の割合は、非正規雇用労働者全体の9.6%で、10年前の2013年と比較するとおよそ半数近く減っています。 つまり、自ら非正規雇用者でいることを選んでいる人が増加しているのです。 さらに、非正規雇用でいる理由として多いものを順番に並べると、 ・「自分の都合のよい時間で働きたいから」34.7% ・「家計の補助・学費等を得たいから」18.3% ・「家事・育児・介護等と両立しやすいから」11.2% という結果が出ています。 10年前の2013年と比較すると「自分の都合のよい時間で働きたいから」という割合は10.5%も増えているのです。つまり、この10年間で、「仕方なく非正規社員でいる人」は大きく減り、一方で「あえて非正規社員でいる人」は大幅に増加していることがわかります。 特に増加幅が多いのがちょうど斉藤さんと同じ年代の20代。なかでも、20代前半では18.0%増、20代後半では11.5%増となっています。
娘の人生プランを聞いて、絶句する父
非正規になってよかった、と言う斉藤さん。ご自身なりに将来のことも考えているようです。 一方で、人生の先輩であるご両親はどう思っているのでしょうか? Q 再就職を前提にいまは実家暮らしとのことですが… 会社を辞めてそろそろ1年になります。実家に戻って3ヵ月も過ぎたころから「いつ、就職活動を始めるのか?」とうるさく言われるようになりました。 最近は「結婚でもするか?」と、父の部下の写真まで見せられました(笑)。私はもちろん、もう正社員として就職するつもりはないし、まだまだ結婚するつもりもありません。 売り上げが安定してくれば、家も出るつもりです。ですが現状、金銭的に一人暮らしは難しく、海外に出るためにはまとまったお金も用意しておきたいので、厳しいところです。 実は先日、両親とひと悶着ありました。 私は普段、スマホで仕事を探したり依頼を待っていたりします。ですが、両親から見ると、スマホで遊んでいるように見えるみたいです。動画を見たり、ゲームでもしていたりするように映るんでしょう。 父親から「就職活動もしないし、なにを考えているんだ。そうやって毎日ダラダラ生きていくのか!」と怒鳴られました。 父の価値観的に正直理解されるとは思っていなかったので、話してこなかったのですが、やっぱり向き合わなければと思って、今後について思っていることを話してみました。 スキルを上げるために勉強をしていること、ちゃんと副業で売り上げも上がってきていること、そのうち独立して一人でやっていきたいこと……。 Q お父様のご反応は? しばらく無言でした。後日、諭すように言われたんです。 絶対にやめておいたほうがいい。独立なんてどれだけ厳しいと思っているのか。前の会社のようなところなら、そんな無茶な働き方をあえて選ばなくても安定した給料をもらえる。不安定でなんの保障もない生き方をさせるために、大金を出して奨学金も負わせずに私立の大学に行かせたわけじゃない。もっと地に足を着けて生きるべきだ、と。 母親からも、非正規だっていつまで働けるかわからないんでしょ? いまのうちにちゃんと正社員で働くか、お嫁にいくか、しっかり考えないと、と言われました。 大企業にいても、結婚しても将来のことなんてわからないと思います。でも、両親に理解されないこともしょうがないです。実際いまは実家に甘えていますし、いまの私には納得させられるだけの実績がないので。 ただ、両親にそう言われたからといって考えを変える気はありません。自分の人生なので、自分の納得できるようにしなければ自分の思う幸せは掴めないと考えているんです。