物価高「もう限界」 横浜のおにぎり店や弁当販売店、泣く泣く値上げ 米やのり高値続き
長引く物価高騰に、飲食店があえいでいる。原材料価格の上昇や円安ドル高、天候不良による生産量の減少などが影響し、10月には今年最多、2911品目の食品が値上げされた。個人で経営する横浜市内のおにぎり販売店や弁当販売店も、泣く泣く値上げに踏み切った。「ギリギリでやっているが、もう限界」。店主のため息は長く、深い。 横浜市鶴見区の老舗米屋「土屋米穀」が経営する「おにぎり処(どころ)つちや」は10月、手作りおにぎりの販売価格を1個150円(税込み)から170円(同)に改定した。 「本当のお米の味を知ってほしい」と、約20年前に同店を創業した。新潟産や福島・会津産など全国各地の品種を混ぜ合わせた、オリジナルのブレンド米を使用。サケやめんたいこなどの定番から、カレーマヨや油みそといった変わり種まで約20種類の具材で販売し、京浜工業地帯で働く従業員から地元の子どもたちまで幅広い世代の空腹を満たしてきた。 だが近年、米やのりの価格が高騰。おにぎりの販売価格を見直さざるを得なくなった。 農林水産省によると、米60キロの9月の相対取引価格は全銘柄平均で2万2700円。前月に比べて6567円、前年同月に比べて7409円高くなった。同省農産局企画課の担当者は「物価高の影響で、生産費や資材費などのコストが上昇していることも関係している」とみる。
神奈川新聞社