花粉症の意外な盲点! 家の中を舞い散る「対流花粉」対策で、今すぐできる具体的方法
今年も花粉症は猛威をふるいそうだ。そこで、OCEANS取材班は、花粉症に詳しい石井正則医師に取材を行い、花粉症のシン・常識と2024年の最新事情をリポートしてきた。 ▶︎すべての写真を見る
そんななか、先生の口から衝撃のひと言が! なんと「花粉症のリスクは家の中にもある」というのだ。緊急連載3回めのテーマは、家の中に潜む「対流花粉」について。
家の中を舞い散る花粉の脅威
――あまり外に出なくても、花粉症になる可能性はあるんですか? 十分あり得ます。「花粉は外が多くて、家の中は少ない」というイメージがありますが、実はそうでもないんです。家の中に侵入する花粉が、花粉症の原因になるケースが少なくありません。 たとえば、外で干した布団や洗濯物、外出の際に着た服や靴下、ストッキング、髪の毛などにも花粉がついています。家の中に入った花粉は浮遊しながら、毎秒約1.9cmの速度で床に落下して溜まります。 そこで人やペットが床を移動したり、ドアを開閉したりすることで、空気中に大量に舞って、落ちて、舞って、ということが繰り返されます。これが「対流花粉」です。
――その対流花粉が花粉症の原因になると? 対流花粉は、ただの花粉ではありません。花粉同士が集まって、大きな塊となっている場合があり、対策を怠ると症状を悪化させる原因となります。さらに現代の日本家屋の多くは密閉性が高いため、花粉を室内に押し込めることにつながっています。
対流花粉の侵入を防ぐには?
――とはいえ、ときどき窓を開けて換気はしたいところです……。 コロナやインフルエンザのウイルス対策としても換気は重要です。そこで役立つのがカーテンです。窓を10~15cmほど開けて、そこをカーテンで覆うと花粉が入りにくくなります。レースのカーテンでも、花粉の侵入率の低下が期待できます。
――洗濯物にも花粉はくっつきますよね? 花粉の飛散量が多い時期はできるだけ室内干しをおすすめします。特に注意したいのが布団。面積が大きいこともあり、どうしても大量の花粉がこびりついてしまいがち。エアコンの除湿やサーキュレーター、衣服乾燥器を使って、部屋干しをするのが賢明です。 花粉の付いた洗濯物には、布団用のノズルに取り換えた掃除機をかけて下さい。 ――家族の誰かが帰宅すると、くしゃみがとまらなくなることがあるんですが……。 それは服に花粉が付いているからかもしれません。服の素材も花粉の付着量に大きく影響します。ウール素材やフリース素材のウェアやマフラー、靴やバッグなどの革製品には特に花粉が付きやすいため、花粉がひどい時期は着用を控えた方がいいかもしれません。 さらに花粉がたくさん飛んでいる時期は、家に入る前に花粉を払い落とす、コートやスカーフ、帽子などは玄関ドアのすぐ近くにかけて、居住エリアには持ち込まない、などの対策も必要です。 とはいえ、それらの対策をすべて講じたとしても、家屋への侵入を100%阻止するのは難しいと思います。