木原防衛相が視察 陸自奄美駐屯地 隊員激励「災害時も島一体に」
木原稔防衛相は18日、陸上自衛隊奄美駐屯地(鹿児島県奄美市名瀬)を視察した。現職の防衛相による同駐屯地視察は2021年4月の岸信夫防衛相(当時)以来、約3年ぶり。奄美大島に常駐する陸海空自衛隊員ら約300人を前に行った訓示では「防衛力の中核は諸君ら自衛隊。防衛大臣である私の使命としてすべての隊員が高い士気と誇りを持ち働ける環境を整備していく。一致団結し、国民の高い期待と信頼に応えられるよう、同じ奄美大島で活動する陸海空3自衛隊が緊密に連携して職責を果たすことを期待する」と激励した。木原防衛相は同日午後、西之表市馬毛島も視察した。 木原防衛相は17日夕方に奄美大島入り。18日午前8時15分ごろ同駐屯地に到着し約2時間、部隊や施設を見て回った。視察には奄美大島の部隊の上級部隊司令官である海上自衛隊佐世保地方総監や航空自衛隊南西航空方面隊司令官、陸自西部方面隊の上官らも立ち会った。 隊員への訓示では中国への警戒感を示し、防衛力強化の必要性を伝えた上で「自衛隊はその防衛力を活用し災害発生時の人命救助や生活支援を行うことが期待される」と強調。今月4日に同駐屯地と奄美市が災害時の連携協定を結んだことに触れ「平素からの自治体との連携が防災、減災に最も重要な取り組みの一つ。災害時にも島一体となり対応してほしい」と語った。 訓示後、木原防衛相は駐屯地内で会見し「隊員たちが緊張感を持ち任務に励む姿を確認し心強く思うとともに、わが国防衛の最前線である南西諸島地域の防衛体制強化を引き続き着実に進めていく決意を新たにした」と述べた。 奄美を取り巻く現状への評価、分析は「中国側の一方的な現状変更の試みに対してはわが国の領土、領海、領空を断固として守り抜く。毅然(きぜん)かつ冷静に対処していく」とし、部隊新設や増員の計画には「自衛隊全体の体制の検討の中で、奄美群島の防衛体制については不断に検討をしていく」とした。 航空自衛隊の基地整備が進む馬毛島については「自らの目でしっかりと確認したい」と述べ、具体的な工事の進展状況や米空母艦載機着陸訓練の開始時期は明らかにしなかった。
南海日日新聞社