じつは怖い、他人からの相談「アドバイス」か「聞いてほしいだけ」か微妙な時の「もっとも重要な一言」…これですべてうまくいく
渋谷109のカリスマ店員から週刊誌記者に転身。約10年間、3000人以上を取材してきた「聞き方」の極意をまとめた山田千穂さんの『ずるい聞き方』(朝日新聞出版)よりコミュニケーションがワンランクアップする聞き方を一部抜粋・編集してお伝えします。 【漫画】ウソだろ、足の指が50本に増えてる…火葬場職員が仰天した、前代未聞の遺骨
頼まれてもいないアドバイス
相談されると、「何かアドバイスしてあげよう」「相談されたからにはアドバイスしなくては」と思う人がいます。でも、たとえ相手が「アドバイスもらえますか?」と言ってきても、本音はアドバイスが欲しいわけではないケースがほとんど。ただ話を聞いてほしいだけなのです。 ですから、話の途中で一方的にアドバイスをはじめようものなら、「え、私の話はまだ終わってないのに……」と余計なお世話に思われてしまいます。 良かれと思って言ったほうは、「おいおい、アドバイスをしてくれって言ったのはそっちだろう?」と不服に思うでしょう。特に、理屈で物事を考えがちな人によくありがちですが、それは大いなる誤解です。 では、相談されたら何と言えばいいのでしょうか。 「とりあえず話を聞かせてくれる?」 これが正解です。 悩みがある人は、話をすることで気持ちや考えを整理していきます。そうしているうちに、話しながら自分で答えを導き出すことも多いのです。 ですから聞き役のほうは、 「そのとき、○○さん(相手)はどう思ったの?」 「それは辛かったね……。○○さんは、本当はどうしたかったの?」 と、相手を主語にして、相手の気持ちを確認、想像しながら話を聞くだけでいいのです。最後には、相手が「あ、そっか。私はこうするしかないのか。よし、じゃあこうしよう!」と解決策も見えてきて、スッキリした表情になり、「話を聞いてもらってよかった」と思ってくれるはずです。 もしも、「アドバイスが欲しい」と言われたときには、「これは1つの考えとして聞いてもらっていい?」と前置きした上で、「私はこう思う」という文脈で伝えてください。 間違っても、「あなたはこうしたほうがいい」と相手を主語にしてはいけません。 相手の人生は相手のもの。最終決定は本人にしてもらうのが、きっとお互いハッピーになるはずです。 …つづく、山田千穂さんの連載、<一瞬、場が凍り付いた…パーティーで、空気を読まない「30代の新人記者」にとどめを刺した先輩の「痛烈な一言」>では大人数で集まって話すパーティーやイベントが苦手な人に教えたいテクニックをお伝えします。 構成/樺山美夏
山田 千穂(記者)