サブスクが向き合うロイヤルカスタマーとブランドの未来「近年のサブスクビジネスの変遷」
物販においては“定期購入”とほぼ同義で、商品の人気を高められれば安定した売り上げを担保できるサブスクリプションサービス。このサブスクで安定的に売り上げを伸ばすためには顧客と継続的な関係を築くことを目的とする「リテンションマーケティング」が重要になる。ただ、ECサイトでは入会や注文などが気軽にできる半面、ユーザーは解約しやすいため、サブスク実施企業は常に解約という課題と向き合わなければならない。サブスク実施企業、通販・ECの専門家がサブスクで成功するためのポイント、重要性などを語り合った。
定期購入という契約行為はものすごく価値があるもの、サービスを研ぎ澄ますことが重要
トップラインを伸ばすためには、新規顧客を効率的に獲得し、多くの既存顧客に継続購入してもらうのが理想的。それを実現するには新規顧客を増やすための広告戦略、F1からF2転換、そして継続購入するためのCRM(顧客との関係性を良好にし、それを継続していくための施策)戦略への流れが重要になる。 カタログやテレビといったダイレクトマーケティングが通販の主流だった頃から、定期的に売り上げを獲得できる定期購入は理想のビジネスモデルとされていた。新日本製薬、やずや、化粧品や健康食品などの単品通販は、その最たる例と言える。 こうした企業は、定期的・継続的に買ってくれている“ロイヤルな”顧客と本気で向き合ってきた。総合通販、化粧品単品通販などで活躍した大西氏は、「継続的に買っていただけるということはとても重要なことなのです」と言う。 ┌──────────
定期購入は提供側と消費側双方にメリットがあるもの。その人たちのためにサービスをきちんと設計していくということは、とても大切なところです。(大西氏)
└────────── 価値あるサービスを提供するために、どのようにサービスを磨き上げていけば良いのか。多くの企業が抱える課題を踏まえつつ、中盤以降から「Minimal」の“ロイヤル”な顧客作りのためのCRMへの取り組み、他社事例として「木村石鹸」のSNS活用、「クラダシ」のCRMやサービスについて触れていく。