【特集】愛知・瀬戸市出身 藤井聡太七冠 新年の抱負「おもしろい局面に出会えるように1局1局集中して考えていきたい。振り返ったときに充実した1年と思えるように」
2023年に史上初となる八冠を達成した藤井聡太七冠。2024年は伊藤匠叡王に敗れるものの竜王や名人など七つのタイトルを防衛しています。その藤井七冠が新年の抱負を語りました。 【動画】藤井聡太七冠 新年の抱負を語る
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Q.2024年を振り返って
「2024年は本当に戦型選択などこれまでとちょっと違った形を試してみたりとあったんですけれど、そうですね。ともかく結果としては叡王戦で失冠をしてしまったり、結果の面では奮わないというところもあって課題が残った1年だったかなというふうに思っています。結果が奮わないという表現をしたんですけど、それは決してたまたま結果が奮わなかったということでもなくて、内容的にも全体として良くは無かったかなと感じているので。結果の重みというのは棋士としてやっている以上、常にあるんですけど、短期的には良いときもあれば悪いときもある、そういった調子というか波のようなものがある程度は出てきてしまう。そういった中でも、全体的な対局の内容を底上げしていくようなことは出来ると思っているので、2024年結果と内容の両面でも課題が残ったかなと」
Q.去年の将棋の指し方に変化は
「これまでとは少し違った形を公式戦で試してみようというのは考えていたことではありました。その背景としては、最近では特に後手番が苦戦するという傾向が私の対局であるかなと感じていたので。その作戦と言った面でも少しずつ幅を広げられればということは考えていました。ここまでとしてはそういった所も含めてあまりうまくはいっていないかなというのは正直なところではなるんですけど、将棋の幅を広げるというのは、長期的に見ても求められることかなと思っているので、引き続き取り組んでいきたいと思います」
Q.去年の挑戦者について感じたこと
「全体として序盤から戦型が多様化してきているというところはあって、2024年のタイトル戦もこれまでと比べると、いろいろな戦型の将棋があったのかなと感じています。そういった中で私自身が経験不足であったり、理解不足というところも少なからずあったので、やっぱり全体的な形勢判断力というのをより高めていく必要があるのかなと感じました。2024年は棋王戦と叡王戦の二つのタイトル戦で同世代の伊藤叡王と対局したということもありましたし、将棋界全体としても、やはり私と同世代だったり、私より若い世代の方というのが活躍しているのかなという感じを受けています。なんとなくですけど、世代毎に将棋感というか指し手の特徴みたいなものもある程度あるのかなという感じもしますし、そういった点では、私より若い世代の棋士の方がどういった将棋を指されるのかというのは今後も注目して見ていきたいと思っています」