『Robstar(仮称)』ロボットバトルで"論理的思考"が試される。子どもも楽しみながらプログラミング。ロジカルな考えかたも学べるゲームに【デジゲー博2024】
2024年11月3日に開催された同人・インディーゲーム展示即売会“デジゲー博2024”。初のプレイアブル出展となったプログラミングバトルゲーム『Robstar(仮称)』は、独自の“志(こころざし)”を持って開発されているタイトルです。 【記事の画像(9枚)を見る】 プログラミングとロボットという題材から真っ先に筆者の頭に浮かんだのはアートディンクの『カルネージハート』シリーズ。このシリーズは無骨で渋いビジュアルが印象的ですが、『Robstar(仮称)』は対称的にカラフルでポップなビジュアルが特徴。このアートスタイルは、本作の“志”とも密接に関わっています。 それは「プログラミングを学ぶ子どもたちに、遊びながら楽しく論理的思考(ロジカルシンキング)を学んでもらう」というもの。プログラミングは「どういった仕組みでいまの状況になっているのか? どうすればもっといい結果を生み出せるのか?」を論理立てて考えることでより洗練されていきます。この“考える力”を育てるためのゲームにしたいということでした。 プログラミングと聞くとややこしそうな印象を受ける人もいるかもしれませんが、プレイヤーがすべきことはいたってシンプル。それでいて、一般のゲームファンにとってもやりがいと試行錯誤が味わえるゲームプレイになっていました。 ゲームは“プログラムフェーズ”と“バトルフェーズ”を30秒ごとに交互にくり返します。プログラムフェーズでは“前へ移動する”、“横に移動する”、“ショットを撃つ”、“バリアを張る”などロボットの行動が書かれたチップを、横一列に並んだパネルへと配置。バトルフェーズではロボットが、このパネルにはめ込んだチップに書かれた行動を左から右へと順番に実行するのです。 バトルフェーズはプログラム通りに行動するロボットをただ眺めているだけになるのですが、プログラムがうまくハマって対戦相手のロボットの攻撃をバリアで防ぎつつこちらの攻撃を叩き込めたり、逆にすべての行動がチグハグで相手の攻撃に全部当たりに行ってしまったりといった結果に一喜一憂、手に汗握ります。 攻撃のたびに“ヒート値”というゲージが減少していき、ゼロになるとオーバーヒートを起こして一定時間にわたって行動不能になる点にも注意が必要です。 2ターン目以降はバトルフェーズの結果を踏まえてプログラムを改善。ターン数が増えるたびに強力な効果を持つチップが追加されていくので、これをどのように織り交ぜるかも重要。相手の行動もターン数が増えるたびに変化します。デジゲー博でプレイできたのはCPU戦でしたが、対人戦はさらに読み合いが白熱しそう。 ちょっと扱いが難しいながらも使いこなせれば強力そうだったのが、行動を分岐させるチップ。これは「相手と◯◯メートル離れている場合」「ヒート値が◯◯未満の場合」といった条件により行動を“場合分け”させるもので、戦いの中で変化する状況への対応をプログラムできるのです。 たとえば「ヒート値が大きく減少してるときだけヒート値を回復する行動を織り交ぜる」といったプログラムも可能に。 近接攻撃主体の構成にしつつ「距離が離れているときは射撃攻撃主体の立ち回りをする」などの構成も思うがまま。 これらの試行錯誤をともなうゲームプレイが、「どのチップをどんな順番で組めば、相手の行動によりよく対処できるのか?」というロジカルシンキングにつながるであろう、というわけです。 なお、開発者のシズカ氏によれば、今回のバージョンはあくまでデジゲー博2024に向けて現状で作れるものを公開したとのこと。現時点での完成度は20%程度で、2025年のリリースに向け、ビジュアルもゲームデザインもここからさらにブラッシュアップを重ねると言います。 現状のゲームバランスはなかなかシビアで、筆者がプレイした時点では試遊でCPUに勝利できたプレイヤーは2割くらいだったそうですが、これから子ども向けのチューニングを施していくとのこと。 また、追加される要素としてはパーツのカスタムにより使用可能チップを切り替えられる機能、バトルフェーズで任意のタイミングに使用できる必殺技、少し異なる遊びが用意されたひとり用モードなどを構想しているとのことでした。 シズカ氏のX(Twitter)アカウントでは、毎日本作の開発進捗を投稿しており、もうすぐ250日目に到達します。完成までに『Robstar(仮称)』がどんなゲームになっていくのか、気になった人はフォローしてみてはいかがでしょう?(どんな正式タイトルになるのかも気になります!)