なぜ大型補強の浦和レッズは広島との開幕戦でこけたのか?
関根がワンタッチで放ったシュートは、アジアカップを戦った森保ジャパンから外れる原因にもなった、右手の舟状骨骨折から復帰した24歳の守護神、大迫敬介のファインセーブにあった。期限付き移籍していたベルギーのウェステルローからこのオフに復帰した松尾は、試合後に「あれこそがチームが求めている攻撃の形」と振り返っている。 「狙い通りのプレーでした。ストライカーがファーへ逃げていく動きは、練習でも口酸っぱく言われていたこと。あれが決まりだしたらもっといい攻撃ができる」 リカルド・マルチネス元監督(49)時代の2022シーズンに京都サンガF.C.に0-1で、マチェイ・スコルジャ前監督(52)に率いられた昨シーズンにはFC東京に0-2でともに敵地で開幕戦に敗れている浦和は、3シーズン連続で開幕戦零封負けを喫した。それでも関根は「成長している、という実感がある」と過去2シーズンとの違いをこう説明する。 「今日のような相手に対して、次に対戦するときにはどのようなソリューションを持って戦えるのか、といった点は逆に楽しみな部分でもあります」 ヘグモ監督も来日及びチームへの合流から、まだ1ヶ月もたっていないグスタフソンに「一緒にプレーする時間が増えれば、さらによくなっていくと思う」とも言及した。 しかし、2006シーズン以来、18年ぶり2度目となる優勝へ突き進んでいく上で、時間的な余裕はほとんどないと興梠は警鐘を鳴らす。 「焦らずにやっていきたいけど、優勝するとなればどうしてもスタートダッシュが必要になってくる。これが連敗にならないようにやっていきたい」 次節は3月3日に、16シーズンぶりのJ1昇格を果たした東京ヴェルディをホームの埼玉スタジアムに迎える。チームが変わっていく途上であっても、初戦に続いてつまずくことだけは許されない。浦和が早くも最初の正念場を迎えようとしている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)
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