マウント、カイセド、ファティ…今季プレミアリーグで期待を裏切った新戦力ランキング
2022-23シーズンの2回の移籍市場で、プレミアリーグのクラブは前例のない記録的な支出として、新加入選手の獲得に50億ポンド(約9,858億円)という大金を費やし、この行き過ぎの傾向は昨年の夏まで続いた。世界最大の会計事務所であるデロイトによると、最終的に9月1日に夏の移籍市場が閉まるまでに23億6,000万ドル(約4.654億円)が支出され、それまでの記録を4億4,000万ポンド(約867億円)も上回ったのだ。このため、イングランドのトップリーグの未来は持続可能ではないのではないかという懸念が起こった。 【全リスト】今季プレミアリーグで期待を裏切った新戦力ランキングTOP21 1月、エヴァートンとノッティンガム・フォレストの違反で収益性と持続可能性に関する規則(PSR)が注目されることとなり、両クラブは最終的に勝ち点剥奪の処分を受けた。プレミアリーグの他のクラブは財布のひもを固くするようになり、レンタル移籍やフリーでの移籍が多発。それでも、さらに9,600万ポンド(約189億円)が冬の移籍市場で費やされ、シーズン全体の支出額は再び30億ポンド(約5,917億円)を超えた。だが、シーズン終了間近となった現在、多くのチームが選手獲得の戦略が間違っていたことを後悔しているかもしれない。 巨額の移籍をまったく正当化できていない選手がいる一方、そもそもその獲得に時間と手間をかける価値はなかったのではないかと思える選手もいる。そうした選手たちは、今後もプレミアリーグの舞台で実力を証明するチャンスを得られないかもしれない。
【ワースト5位】アンス・ファティ:ブライトン(レンタル)
今となっては遠い昔のことのように思われるが、アンス・ファティはかつて、バルセロナにおけるリオネル・メッシの後継者とみなされていた。スペイン代表のファティは、2019年に16歳でカンプ・ノウのシニアの試合に大抜擢され、ストリートのサッカー選手のような目がくらむようなドリブル技術を披露していた。だが、ほどなく相次ぐケガに見舞われ、トップチームでレギュラーとなることはできなかった。 ラミン・ヤマルが出現するとアンスは陰に押しやられ、昨年の夏、ブライトンが彼の不確実な将来に期待をかけ、高額なレンタル移籍をもちかけたのだった。アンスはブライトンでの最初のプレミアリーグの5試合で2得点を挙げたが、彼の体格ではイングランドのサッカーで求められるフィジカルな強さに耐えられそうにないことが明らかになった。 ブライトンが大躍進していた時期も、アンスはふくらはぎのケガのため蚊帳の外だった。2月に復帰した後も、デ・ゼルビ監督の先発メンバーに戻ることはかなわなかった。ブライトンの監督は、アンスのコンディションに大きな懸念を抱き続けている。21歳のアンスがアメックス・スタジアムでプレーした時間は短く、エリート選手になれるかどうかについて懐疑的な見方が増える一方である。バルサに戻っても活躍できるかどうかは難しいところだ。