後半3発で勝負を決めた広島国際学院!! 前回王者は「挑戦者」として決勝の舞台へ…広島翔洋は敗戦も歴史を塗り替える:広島
[11.3 高校選手権広島県予選準決勝 広島国際学院高 3-0 広島翔洋高 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 第103回全国高校サッカー選手権広島県予選準決勝が11月3日に行われ、第2試合では広島国際学院高と広島翔洋高が対戦。広島国際学院が3-0で勝ち、10日の決勝に駒を進めた。 立ち上がりの前半6分(40分ハーフ)、広島翔洋は右サイドのスペースに抜け出したFW丸本空秀(3年)が右足で狙ったが、わずかに左に外れる。その後はお互いに決定機が生まれず、攻め込んでも守備網にはね返される時間が長く続いた。 広島国際学院は33分、ロングスローのこぼれ球がエリア内に落ち、DF田中柊宇(3年)が至近距離から左足で狙ったが、ゴール左に外れる。前半の両チームのシュートは、この1本ずつに終わり、攻撃の決め手を欠いてハーフタイムを迎えた。 だが後半は、開始直後にMF喜々津夢斗(3年)が送ったセンタリングをMF立木智徹(3年)が右足で合わせ、惜しいシュートを放った広島国際学院が意欲的に攻め込む。8分には右からのパスを田中が右足で狙ったが、惜しくも右に外れた。 押され気味だった広島翔洋は12分、ロングパスに反応したFW森澤怜王(3年)が右に流れながらダイレクトで右足シュート。ゴール左下スミを捉えて決まったかと思われたが、広島国際学院GK加藤翔正(3年)が素晴らしい反応で防ぎ、ゴールを割らせない。 その直後、14分だった。広島国際学院は左サイドから抜け出したFW上光碧(3年)のパスを、喜々津が詰めてきたGKより先に触って右足で狙うも、右ポストに当たる。だがセカンドチャンスで攻め込むと、FW村上颯大(2年)が右足ボレー。枠を捉えなかったがエリア内中央に飛んだボールを、立木が左足ボレーでゴール右に蹴り込んだ。 広島翔洋は反撃に転じるもシュートを打てず、逆に攻撃に勢いが出た広島国際学院のシュートが増えていく。31分にはロングスローのこぼれ球を途中出場のDF真壁幹太(3年)が右足で決めてリードを広げた。 さらに39分には左からのセンタリングのこぼれ球を、途中出場のFW中石圭亮(3年)が蹴り込んで3点目。守備も最後まで崩れることなく、完封勝利で決勝進出を決めた。 準々決勝でインターハイ(全国高校総体)予選準優勝の広島皆実高を下した広島翔洋だが、決勝進出は果たせず。過去の県ベスト4は新人戦のみで、全国大会につながるインターハイ予選と選手権予選では初のベスト4だったが、壁を越えることはできなかった。 武田直也監督は、歴史を塗り替えた選手たちを「この予選期間中、選手たちが本当に楽しそうにプレーしてくれたのがよかった」と評価。一方で、さらに全国に近づくために「本来はボールを動かせるチームなのに、動かせなかった。ウチは、それをやり続けなければいけない」と高めるべき部分も指摘した。 広島国際学院は、谷崎元樹監督が「もう少しサイドに展開しようと話した」というハーフタイムを経て攻撃に勢いが生まれ、連続出場に王手。初出場を果たした昨年度のチームと比較して、谷崎監督は「今年のチームは力がない」と評するが、「力がないと分かっているので、我慢できる。うまくいかないことが続いても、それに耐える力がある」ことが決勝進出への力となった。 10日の決勝では瀬戸内高と対戦する。昨年度はインターハイ予選、選手権予選とも決勝で勝ち、どちらも初出場を果たしたが、今年は瀬戸内が新人戦とインターハイ予選を制しており、挑戦者の立場だ。指揮官は「相手は強いと分かっているし、自分たちがうまくないと分かっている。向かっていくだけ」と語り、サンフレッチェ広島のホームスタジアム、エディオンピースウイング広島で行われる一戦を見据えていた。 (取材・文 石倉利英)