女王が5年ぶりの開幕戦黒星スタート。バルドラール浦安ラス・ボニータス、伊藤果穂「私たちが目指すのは優勝。切り替えて、収穫と課題を見つめていく」【女子Fリーグ第1節|記者会見/浦安vs神戸】
6月2日、福井のセーレン・ドリームアリーナにて日本女子フットサルリーグ2024-2025の開幕戦が行われ、バルドラール浦安ラス・ボニータスとアルコ神戸が対戦。浦安が2-4で敗戦した。 リーグ5連覇を懸けて臨む今シーズン。女子フットサル界の絶対的な女王として君臨する浦安は、開始1分18秒で先制点を許した。 会場中がどよめくなか、先手を打たれた浦安は落ち着いてボールを保持。15分に江口未珂、22分に倉持杏子が得点を挙げ逆転に成功し、一時はリードを奪った。 しかし、カウンターからの素早い攻撃で25分と27分に立て続けに得点を許すと、再び追いかける展開に。最後はパワープレーにも踏み切ったが、残り3分で追加点を奪われ、2点差で開幕戦を落とした。 開幕戦での敗戦は、浦安が初優勝を飾る前の2019-2020シーズン以来。浦安一強の時代は終わりを迎えるのか。それともチームを立て直し、次節から勝ち点を積み上げるのか。 試合を終え、米川正夫監督と伊藤果穂が記者会見に出席した。
あとは全部勝つだけ
●バルドラール浦安ラス・ボニータス|米川正夫監督 ──今日の試合を振り返って。 早々に失点して、(その後は)徐々に自分たちのリズムにはなってきて、前半のうちに追いついて折り返しました。後半の立ち上がり、こっちが先に点をとったまではよかったのですが、そこからショートカウンターとロングカウンターで失点して、敗戦という結果になりました。昨シーズンは一回も負けていないなかで、今シーズンは初戦で負けてしまったのですが、考え方を変えれば、(負けたのが)初戦で良かったと思うしかありません。あとは全部勝つだけです。 試合の内容に関しては“うまくやられた”というのは間違いなくあります。シュート数も相手の倍の本数を打っていますし、内容は悪くなかったのですが、自分たちのボールロストの位置、仕方というのが敗戦につながったという感覚です。開幕戦で、まだ試合勘もなくて、ゲームの進め方やコンディションが整わないなかで、どっちに出るかなと正直思っていました。それがよくない方向に出たなと感じます。 繰り返しになりますが、あとは全部勝つだけなので、切り替えていきたいです。 ──例年に比べてチームの始動が遅かった影響は? あったかもしれないし、なかったかもしれない、そこはわかりません。そもそも、新しい選手が下から昇格しただけで、オフ期間で選手をとる・とらないという補強のところが正直うまくいきませんでした。やはり、誰かしらは外から入れないとチームに刺激がないというのは、常に思っています。その影響の方があるかなというのは感じます。 ──浦安がボールを保持する時間が長かったのですが、ゴール前での決定的な場面が少なかったように感じましたが。 ずっと考えていたのは、ピヴォのところです。ある程度(ボールはピヴォに)収まりはするけど、そこからの展開がよくなくて、途中で落として(ピヴォの位置を代えて)目線を変えようかという話もありました。ただ、ピヴォに対して、他の選手がもう一個絡んで、個人のプラスアルファがあればシュートまでいくかなと考えて変えませんでした。結果的にはよくなかったので、ゲームを振り返りながら考えたいです。 ──女子Fリーグで浦安が“絶対王者”として君臨していた中で、各クラブが“打倒浦安”という気持ちで臨んでくると思います。浦安としては、どういうふうに戦っていきますか。 自分自身も、勝ちにコミットした選手起用と戦術選択をしようと心に決めてシーズンに入ってます。もちろん、対相手というのはありますが、自分たちがなにをしなければいけないのか。常に相手は強い気持ちで向かってくるなかで、男子の名古屋オーシャンズのようになるためには、それを迎え撃つだけのメンタル的、フィジカル的なものが必要になってきます。簡単なものではありませんが、もう一回、しっかり足元を見て、やっていくしかないと思います。 ──GKを上げてパワープレーをする時間帯もありましたが、自分たちで時計の針を進めてしまったようにも見えました。 相手がうまく対応できていたとは思っていません。ただ、女子特有のGKの(パワープレーでの遠目からの)シュートがほとんどないところと、うちの場合は完全に抱え込む(ボールをおさめる)ピヴォではないので、同じようにやったら同じようにはならないところがあります。例えば、タイミングよくピヴォが抱えに来て、2人、3人目が絡めばチャンスになりますが、(パスを出す側が)ちょっと怖さがあって、効果的な攻撃ができなかったのは確かです。