試合後のセレモニーでスタンドに手を振る今江監督（撮影・土谷創造）

楽天・今江敏晃監督（41）の今季限りでの退任が決定的であることが9日、分かった。今季から2年契約を結んでいたが、球団は続投要請を行わない方針とみられる。この日の西武最終戦（楽天モバイルパーク）でレギュラーシーズンの全日程が終了。球団は17日から開始予定の秋季練習（同）までに早急に後任探し、組閣に着手する。 衝撃が走った。2年契約の1年目を終えた今江監督に対し、球団が来季の続投を要請しない方向であることが分かった。今季最終戦となった西武戦に延長十二回、2－2で引き分けた後、指揮官が最終戦セレモニーで謝罪した。 「（クライマックスシリーズに）一歩届かず悔しい思いをしました。皆さんの期待に応えられず申し訳ありませんでした」 今季は67勝72敗4分けの4位で全日程を終え、3年連続でクライマックスシリーズに進出できなかった。今江監督は石井一久前監督（現球団シニアディレクター）の後任として打撃コーチから昇格。交流戦で球団史上初の優勝を飾り、勝率5割に復帰。一時は3位に浮上するなど善戦したが、最後の10試合で1勝8敗1分けと失速し、借金5と後味の悪さが残る結果となった。 かねて継投策や起用法の偏りに疑問の声が上がっていた。さらに複数の選手から不満の声が出ており、球団はそうした事情を総合的に判断した上で、苦渋の決断を下したもようだ。西武戦後に報道陣の取材に応じた森井誠之球団社長は「きょうからしっかり振り返り、あすから組閣に向けてすぐに動く。しっかりと出来上がった状況で皆さまにお伝えしたい」と説明した。 球団は17日に開始予定の秋季練習までに早急に後任探しに着手することになる。新監督候補には2020年に1軍監督を務めた経験のある三木肇2軍監督（47）、選手やスタッフから人望の厚い渡辺直人1軍ヘッドコーチ（43）らを今後、リストアップするとみられる。 ■今江　敏晃（いまえ・としあき） 1983（昭和58）年8月26日生まれ、41歳。京都府出身。大阪・PL学園高から2002年にドラフト3巡目でロッテ入団。05年から4年連続でゴールデングラブ賞を受賞。05、10年の日本シリーズではともにMVPの活躍で日本一に貢献した。16年から楽天でプレーし、19年に引退。通算1704試合で打率・283、108本塁打、726打点。20年に楽天のコーチに就任し、今季監督に就任。右投げ右打ち。背番号98。