「今後の農業の未来を築くひとつでは」ロボットが農家に? 市街地に誕生したイチゴの完全自動栽培工場 進化する農業の最前線【現場から、】
<春華堂 山崎貴裕社長> 「お子さんが見たときに、こんな風にイチゴって作られることもあるんだと知って頂いて、大人になった時こういう農業もあるんだなと当たり前になっていくのが自分は今後の農業、一次産業の未来を築く1つではないかと」 <浜松総局 寺坂元貴記者> イチゴの栽培システムですが課題も残されています。 栽培に必要な「収穫」は2025年に実装される予定で、余分な葉を落とす「葉かき」という機能は今後、追加されます。この授粉という機能はリンゴやコーヒー豆などにも応用が可能でハーベストエックスは今後、海外展開も視野に入れています。農業改革はロボットやAIを駆使したものだけではありません。アナログ的に農業を支えようという動きも進んでいます。 ■サラリーマン農業スクール 浜松市中央区のレモン畑で行われたのは「サラリーマン農業スクール」です。 <講師> 「きょうは収穫が終わった後のお礼肥、秋肥について勉強してもらいたい」 このスクールは農業は未体験でも興味があるという人にプロの農家がノウハウを伝授するというもの。1年間で農家デビューを目指すスクールです。 栽培するのは初心者でも簡単に栽培できる品種のレモン。本業を持ちながら土日や早朝に副業としてレモンを栽培し、年間200万円以上の副収入を目指す取り組みです。 <受講生> 「前の職業を定年してから、農業に就きたいなと思ったのですが、いきなり農業経営はできないとあきらめていたんですが、ここに入れば農地も世話してくれるということで」 卒業生には5000平方メートルの畑を無料で貸し出します。なぜ、こうしたスクールを開設したのか。後継者不足などによって国内の農家は減少の一途をたどっていて反比例するように耕作放棄地は増えています。こちらのスクールでは畑での指導だけでなく、経営や作物管理に関するノウハウもレクチャーすることで農業人口の増加を後押ししたい考えです。 <スクールを主催する JFM 山本哲久社長> 「要請があれば全国にハウツーやノウハウをそのまま移していけると思っている」
■月2回の受講 1年間で約5万円 <浜松総局 寺坂元貴記者> スクールは月2回の受講で、1年間の受講料金は約5万円です。 農業法人のノウハウを生かしていて、現状レモンやミカンなどの柑橘類に限られているため、どんな作物も手軽にできるわけではありません。ただ、スクールを主催する山本さんは手厚いサポートをすることで農家を目指すというハードルを下げたいと話しています。農業人口を増やすこと、デジタル技術で農家をサポートすること。この両輪がうまく回らなければ日本の農業は立ち行かなくなると感じました。
静岡放送