【JBCスプリント展望】充実一途の3歳馬チカッパVS連覇狙うイグナイター 中央&地方が互角の争い
[JpnI・JBCスプリント=2024年11月4日(月曜)3歳上、佐賀競馬場・ダート1400メートル] 持ち回りで開催されるJBCが、今年は初めて佐賀で実施される。施行場によって距離が変わるのがこのJBCスプリント。今年は1400メートルで実施される。これが各馬にとって吉と出るか、凶と出るか――。 中央馬が圧倒的に強いクラシックと異なり、スプリントでは地方馬の活躍が目立つ。特にここ5年に限ると2019年ブルドッグボス、20年サブノジュニア、そして昨年のイグナイターと地方馬がむしろリード。今年も中央、地方ともにバラエティー豊かな顔触れがそろった。7ハロンのスピード争いが興味深い。 前哨戦のJpnⅡ東京盃を制したチカッパ(牡3・中竹)が充実ぶりで一歩リードしている。初勝利を挙げるまでに5戦を要したが、その後はとんとん拍子に出世。ダートの6~7ハロンでは9戦全て連対と抜群の安定感を誇る。コースを1周する園田1400メートルで2着に敗れた(兵庫チャンピオンシップ)点は気掛かりだが、その後のフィジカル面の成長を見れば杞憂に終わりそうだ。鞍上には米BCから強行軍で帰国する名手・武豊騎手が予定されている。 連覇を狙う兵庫のイグナイター(牡6・新子雅)は、昨年のこのレース後、勝ち星を挙げられていない。しかし、中央や海外の強敵に挑み続けての結果で、衰えを懸念する必要はないだろう。佐賀は未経験ながら国内外の遠征経験は豊富にある。目標の大一番だけに連覇への期待は大きい。 シャマル(牡6・松下)はここ2戦とも3着に終わっているが、一時期の悪いリズムは完全に脱した。一昨年にこの佐賀1400メートルでJpnⅢサマーチャンピオンを勝った実績は頼もしい。逃げ差し自在の脚質で、5月のかしわ記念に続くJpnⅠ2勝目を狙う。 東京盃でチカッパの2着と奮闘した大井のマックス(セン7・福永敏)、9月にこの佐賀でJpnⅢサマーチャンピオンを制したアラジンバローズ(セン7・新子雅)といった地方勢も上位争いに加わって何らおかしくない実力の持ち主。他の中央馬では、ツボにはまったときの決め手に定評があるタガノビューティー(牡7・西園正)にも注意を払っておきたい。
東スポ競馬編集部