大人心をくすぐる『プラレール』 誕生から64年、世代を超えたロングセラーの理由
2024年に誕生65周年を迎える鉄道玩具『プラレール』に、新シリーズが登場。これまでに歩んだ歴史や開発秘話と共に、ロングセラーの理由を担当者に聞きました。
『プラレール』は、自由にレールをつなぎ車両を走らせることができる玩具です。日本で、これまでに1960種類以上(2023年3月末現在)の商品をラインアップ。販売されたレールの総距離は、地球を約2周半、9万8700キロメートル以上(2019年1月現在)に及ぶと言います。
■『プラレール』誕生の舞台裏
1959年、金属や木の玩具が主流だった当時、最新の素材プラスチックを使った『プラスチック汽車・レールセット』を発売。手で転がして遊ぶ、現在の『プラレール』の原型になったと言います。
当時のプラスチック汽車の開発について、タカラトミー プラレール事業部企画開発課の岩田峰人さんは、「まず決めたのは、曲線レールを円型にした時に直径をどれくらいにするかでした。当時、家族が団らんの時をすごした“ちゃぶ台”の上で遊べるサイズ、曲線レールを8つ つなげてできる円の直径47センチで設計しました。この規格は60年以上経った今でも変わっていないので、当時のレールと最新のレールをつなげて遊ぶことができます」と明かしました。
また、レールが青色になった理由について、岩田さんは「あるデパートの閉店直後に売り場の方に理由を話し、レールのサンプル7~8本に何色かのカラーを塗装したものをもって、店内の蛍光灯の下で見て決めました。当時の店の照明で目立つ、よく見える色が青でした」と明かしました。
また車両のデザインについて、岩田さんは「モーターとバッテリーとメカニカルな部分を積んだ小さな車両の設計は、曲線レールの上をうまく走るための前車輪と後車輪との間隔の決定から計算して、車両の長さを決めました。本物の車体の持つカッコよさと実物感を強調しつつも、かわいさを出すデザインが一番大事な点でした」と、開発秘話を明かしました。