浦和・宇賀神友弥が振り返る、埼玉スタジアムでのラストゲーム「あの時、見た夢は、ここに続いていたのかもしれない」
【浦和レッズに必要なのは「これじゃん」】 ── アディショナルタイムも含めて、プレーしたのは15分くらいだったと思いますが、表情が少年のように無邪気で、楽しそうに見えました。 「試合後、チュンくん(李忠成)に会った時も、『ピッチに入る時、うれしそうだったね』って言われました。自分ではそんなつもりはなかったんですけどね。自分としては0-0の状況だったので、とにかく試合に勝ちたいと思って必死でした。でも、周りから言われて、笑顔だったことを知りました」 ── どんな15分間でしたか? 「試合前に多くの人から、『最後までウガらしく泥臭くやってきてね』と言われていたので、自分らしさはあらためて見せられたと思っています。 プレーのことではないですが、一度、ブライアン(・リンセン)がプレスに行き、(長沼)洋一がそれに続けず、ふたりが少し口論する場面がありました。そこに(渡邊)凌磨が加わり、僕も加わって、お互いに意見をぶつけ合った時は、どこかうれしかったですね。試合中にチームメイト同士が意見をぶつけ合っている姿に、浦和レッズに必要なのは『これじゃん』って思えて。 自分がピッチにいたことで、そうした議論が生まれたような気がしてうれしかった。同時に、浦和レッズというチームは『これでいいんだよ』って、あの一瞬に思いました」 ── たしかに、誰かが一方的に意見を言うのではなく、お互いに思いをぶつけ合って解決しようとする姿に熱量を感じました。 「今季は特に、そうしたシーンがなかったように思うんですよね。本当に何気ない場面なんですけど、試合中のそうしたところに、自分自身も感じるところがありました」 ── 引退セレモニーのスピーチでは、原口選手のほかに、チームを牽引していってほしい選手として関根選手、渡邊選手の名前を挙げていました。その思いについても聞かせてください。 「ほかのチームメイトや、外からチームを見ている人たちも言っているように、今の浦和レッズにはリーダーになりきれる選手がいないなかで、来季以降、誰がキャプテンにふさわしいのかと問われたら、僕は関根だなって思っています」