医師免許ない介護施設経営者が『麻酔なしで手術』 「殺したる」利用者に暴言や暴力 職員へのパワハラも 介護施設の虐待は全国で増加
■なくならない“虐待”を防ぐには?
虐待がなくならない背景について専門家は…。 【日本高齢者虐待防止学会 池田直樹理事長】「介護サービスは“ビジネス”だという風に考えれば、金もうけなんですよ。仕事が増えると『余計なことをしてくれた』という感覚になってしまう。それが多分、虐待の、自分の仕事を邪魔しているというか、そういう感覚が根っこにあるんじゃないか」 第三者が定期的に施設をチェックする制度もありますが、受け入れるかどうかは経営者の判断のため、限界があります。 【日本高齢者虐待防止学会 池田直樹理事長】「オンブズマン(第三者)は、経営者にとっては煩わしい存在なんです。目先のタイムビジネスだけで追われているような所には、そこまでの現場の声は届かない」 実際、岬町は数年に1度、施設を訪問してチェックしていたものの、2023年は「違反なし」と判断していました。 担当者は「事前に訪問する日は伝えているし、1人1人に細かい聞き取りをするわけでもない。違反に気付くのは難しい」と話します。 岬町は改めて調査を進めていて、「施設の指定を取り消すことで介護保険が使えなくなる」という可能性もあるということです。 経営者は罰金刑を受けたにもかかわらず、職員や利用者には「無実です」と主張しているということです。 【施設の関係者 Dさん】「反省はしていないです、全く。ちゃんと償ってほしい」
現在は別の病院に入院している元利用者。これまでに虐待を受けていたと訴えていますが、いまだに経営者からの謝罪はありません。 【施設の元利用者】「思い出したくない。自分がつらいだけのことやと思って(自分の中で)収めた。自分がやったというのを認めて、少しでも『悪い』っていう気持ちがあれば(いい)」 経営者に話を聞こうとするも、何も話さず、施設からも回答は得られませんでした。 利用者の多くは認知症の弱者です。人への敬意を持たない人に介護の仕事を任せられるのかが、今、問われています。 第三者機関での摘発が難しい現状。このようなケースを減らすには、家族が利用者本人の訴えをこまめに聞くなど、細やかにケアすることが必要です。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年10月10日放送)
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