医師免許ない介護施設経営者が『麻酔なしで手術』 「殺したる」利用者に暴言や暴力 職員へのパワハラも 介護施設の虐待は全国で増加
夜間、利用者が勝手に個室から出られないように、外側からひもでくくってドアを開かないようにもしていたというのです。そればかりか…。 【経営者とみられる音声】「ひも外しておいてよ、ひも。部屋の前にあるやろ。ひもは絶対外しといて。(利用者の家族が)面会に来るって分かってるのに、あんなのがあったら怖いやん」 利用者の自由すら奪い、その上、家族にばれないよう隠ぺいを指示する驚きの実態が明らかに。
■「殺したる」と怒鳴る…利用者への暴言や暴力も
およそ30人の職員が勤務する介護施設。どうして問題は長年、外部に発覚しなかったのでしょうか? 関係者6人による証言で、施設のいびつな実態が浮かびあがりました。 【施設の関係者 Bさん】「代表が力を持っていて。家族経営で、イエスマンしかいなかった。誰も止められなかった状態」 【施設の関係者 Cさん】「すごく気性が激しいので、みんな顔色を伺いながら仕事しているのは事実です」 【施設の関係者 Aさん】「(言い返したら)パワハラ。倍返しにされる」 「(経営者は)自分が気に入らなかったらいじめて、辞める方向に持って行ってます」 独裁状態だった施設運営。さらには…。 【施設の関係者 Dさん】「相談するようなところがないんです。第三者がいてみたいな、あるじゃないですか。何もなくて」 第三者の目が届かない閉鎖的な環境で、報復を恐れて職員は告発をできない状況だったというのです。 矛先は利用者にも向けられていました。 【施設の関係者 Aさん】「利用者の方にも、暴言・暴力があります。ビンタ。利用者ってお金払って利用してるじゃないですか。生活保護の方には『生活保護のくせに』とか」 【施設の関係者 Eさん】「利用者を殴ったり、胸ぐらをつかんで外に放置したりしていた」 【施設の関係者 Fさん】「『殺したる』と大声で怒鳴って、利用者もおびえていた」
経営者による「虐待」が日常的に行われていたといいます。こんな実態でも利用者が絶えないのには、理由がありました。 この施設は「訪問看護・介護」「通い」「泊まり」にまとめて対応できる便利な形態のサービスですが、実は岬町がこの形態で介護保険事業者として指定しているのは、ここしかないのです。 【施設の関係者 Bさん】「岬町に1つしかないところなので、行政も頼っていたところもあったのかな?というのはありますけどね」 介護施設での虐待は、全国的な問題です。 2022年度の厚生労働省の調査では、介護施設のスタッフによる虐待について明るみに出ているものだけでも、相談・通報件数、虐待判断件数、共に過去最多となっています。
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