巳年の坂東巳之助、力強い発声で初春の祝祭ムードを盛り上げる「寿曽我対面」中村米吉は初役で曽我十郎
歌舞伎俳優の坂東巳之助、中村米吉が2日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「壽 初春大歌舞伎」(26日千秋楽)の昼の部「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」に出演した。 鎌倉時代に実際に起きた曽我兄弟の仇討ちの物語は、江戸歌舞伎で初春の吉例として上演された祝祭劇。同演目はその集大成とされ、時代を超えて愛されている。 源頼朝の重臣・工藤祐経(中村芝翫)の館で催されている祝宴に、小林朝比奈(尾上右近)の手引きで曽我十郎(米吉)と曽我五郎(巳之助)の兄弟が対面を許されて登場する。父の仇を討とうと逸る五郎が、工藤に詰め寄ると…。 1989年の巳年生まれの年男・巳之助が五郎、女形として進境著しい米吉が初役で十郎を勤める初春にふさわしい清新な配役。昨年まで「新春浅草歌舞伎」の主要メンバーとして活躍した2人が同世代の坂東新悟、尾上右近らと共に初春の歌舞伎座で序幕を勤める。 花道から米吉の十郎に続き、巳之助の五郎が登場すると場内は大きな拍手に包まれ、仇の工藤を前に怒りに燃える五郎の力強い声が歌舞伎座に響き渡った。
報知新聞社