令和ロマン・ケムリに“引導”を渡された男が語る「大学お笑いサークルの地殻変動」と「成功者たちの共通項」
2024年12月22日、M-1グランプリ史上初の連覇を成し遂げたお笑いコンビ・令和ロマン。そんな彼らのルーツは大学のお笑いサークル。慶應義塾大学公認学生団体「お笑い道場 O-keis」の同期で、同大学薬学部を卒業し現在無職の「慶應薬学部出身の無職」さん(@KeioPham)は、近年の“笑い”に対する憧憬と違和感を語る。 【画像】大学お笑い時代の集合写真。左からくるま氏、ケムリ氏、無職さん
コンビを結成しようとするも、相手には怒られ…
その名の通り、慶應義塾大学薬学部を卒業し、現在無職の「慶應薬学部出身の無職」さん(以下、無職さん)。今年のM-1グランプリが近くなるにつれ、無職さんのX(旧Twitter)アカウントが盛んに発信を始めた。 無職さんは令和ロマンのボケ・髙比良くるま氏と同期で、ツッコミ・松井ケムリ氏の1学年後輩にあたる。大学のお笑いサークルというと本格志向の人は少ないのかと思えば、まったく逆の状況だったという。 「大学生のお笑いサークルといっても、おそらく世間が思う“漫才ごっこ”からはかけ離れていると思います。実際、その後プロになる人も少なくありません。 私が所属した慶應義塾大学の『O-keis』からは令和ロマンや真空ジェシカ、早稲田大学の『LUDO』からはひょっこりはんさん、にゃんこスターのアンゴラ村長さん、ハナコの岡部大さんなどが出ていますし、青山学院大学の『ナショグル』からは有名YouTuber・水溜りボンドさんらが出ています。 ちょうど私がサークルに所属していた頃に、吉本興業と大学のお笑いサークルの運営元が提携して賞レースの上位入賞者にNSCの学費免除措置などをやっていました」(以下、無職さん) 無職さんはシステム化された大学お笑いに「まったく馴染めなかった」のだという。 「大学3年生の頃、発達障害と診断されました。これまでも、私はいわゆる“報連相”ができないなど、『みんなが当たり前にできることができない』と生きづらさを感じていました。遅刻も多く、いわゆるダメな人間なんです。 サークルの新歓でも、当時2年生だった令和ロマン・松井さんのLINEを既読スルーしてしまい、ご迷惑をおかけしてしまったことがあります。LINEの仕組みがよくわかっていなかったんですね」 そもそも無職さんがお笑いサークルに入ろうと思ったのは、日常的に周囲から「変なやつだ」と言われていたから。肝心のお笑いの実力はどうだったのか。 「全然ダメです。私の場合、ネタ以前のこともありました。コンビを結成しようと思って部室で相方候補と雑談していたのですが、いつの間にか相手が怒って無言で帰っていったことがありました。他人の気持ちがなぜかわからず、顔色を見ることもできないんですよね」