【ランキング】「学生が取りたい資格」は? 公務員に代わって人気が上昇している2つの資格は?
定番は?
4位の「簿記検定」は年間約40万人が受験する人気の資格試験です。 「学生の間に身につけたほうがいいものとして、『簿記など会計関連の資格』『ITスキル』『英語(TOEICなど)』の3つが言われています。このため、簿記も人気なのだろうと予測します。ただし、就活に使うのであれば、2級は必要でしょう」 8位の「情報処理・パソコン」は、先ほどのITスキルに関する資格です。 「情報処理技術者試験という国家資格で、13種類の試験があります。このうちIT資格の入門、登竜門的な『ITパスポート』の資格を目指す人が多いです」 情報処理推進機構によると、ITパスポート試験の23年度の応募者は過去最多の29万7864人、平成21年度の試験開始以来の累計応募者数は200万人を超えました。ニトリホールディングスは、「25年までに社員約1万8千人の8割にITパスポートを取得してもらうようにする」と公表しています。これからの就活には欠かせない資格となるかもしれません。
「不動産鑑定士」が人気の理由は?
6位の「宅建士(宅地建物取引士)」、9位の「不動産鑑定士」は、不動産業界で使われる資格です。宅建士は、不動産の売買や賃貸物件の斡旋などを行う専門家で、不動産事務所では5人に1人の割合で宅建士を雇わなければいけない決まりがあります。不動産鑑定士は、不動産の市場価値や評価を専門的に行う仕事です。 「宅建士試験の合格率は15~18%と難しい資格ですが、不動産鑑定士試験はもっと難しい。1回の試験ではなかなか合格できません。資格業界では不動産鑑定士は弁護士、公認会計士と並ぶ、文系3大難関資格とされています」 不動産鑑定士は、今回の調査で初めてベスト10に入りました。三柴さんによれば、10位の「中小企業診断士」と同様に、コロナ禍以降、人気が高まっています。 「中小企業診断士は国が認める唯一の経営コンサルタントの国家資格です。経営戦略や人事、マーケティング、財務・会計、法務、製品管理など経営全般の知識が問われます。だれでも受けられる試験ですが、従来は企業のエリート層に人気の資格で、学生が受けることはまず、ありませんでした。実は不動産鑑定士や中小企業診断士がなぜ学生に人気なのか、私どももまだ十分な分析ができていません。ただ、難しい資格に挑戦する学生が増えているのは事実です」と話します。 一方で、「くれぐれも資格は万能ではないことを知ってほしい」と三柴さんは警鐘を鳴らします。 「よく、『就職に有利な資格は何ですか』と学生から相談を受けますが、私たちは『では、あなたは将来、何をしたいのか』と逆に聞いています」 どんなに難しい資格を取得していても、その資格を使わない企業にとっては「響かない」ことを、三柴さんは企業の採用担当者などからよく聞いています。 「不動産業界の面接に行き、宅建士の資格をアピールできれば100点満点ですが、あまり関係のない業界では、逆に『えっ? なんで?』と聞かれる可能性もあります」 資格とは、「自分がやりたい仕事で社会に出ていくことを叶えるツール」です。自分にとって取得すべき資格は何かをしっかりと検討するのがよさそうです。
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