【カザン（ロシア中部）＝東慶一郎、浅野友美】ロシア、中国、インドなどで構成するＢＲＩＣＳ首脳会議は２４日、３日間の日程を終えて閉幕する。２４日は加盟を希望する国の首脳らを含む拡大会合「ＢＲＩＣＳプラス」が開かれた。議長のプーチン露大統領は演説で、米欧諸国が新興・途上国「グローバル・サウス」の発展を妨げていると訴え、ＢＲＩＣＳを「米欧の対抗軸」に位置づける姿勢を強調した。

　「ＢＲＩＣＳプラス」には９加盟国に加え、トルコやベラルーシなどの首脳ら約４０人が出席した。プーチン氏は「欧州、アジア、アフリカ、中南米の代表が一堂に会した」と自賛した。

　プーチン氏は、西側諸国がグローバル・サウスの国に対し、「違法で一方的な制裁、為替や市場の操作、人権のスローガンを掲げた内政干渉」を行っていると主張した。中国の習近平（シージンピン）国家主席は「中国はより多くのグローバル・サウスの国がＢＲＩＣＳ加盟国になるのを支援する」と述べ、連携する姿勢を強調した。ただ、ＢＲＩＣＳ内には、米欧批判で中露と距離を置く加盟国もある。

　プーチン氏は、西側諸国が地域の紛争を招いたとして、ロシアのウクライナ侵略を正当化した。

　一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はＳＮＳで、ＢＲＩＣＳ首脳会議を「プーチンの首脳会議だ」と強く批判した。

　１年任期のＢＲＩＣＳ議長国は来年、ロシアからブラジルに引き継がれる。