滝澤里菜、自宅にアプローチ練習場…4度目の挑戦で悲願「2日目に崩さなかったのが良かった」 来年の「フジサンケイレディス」出場権獲得/サンスポ女子アマ
TOMAS CUP 第41回全日本サンスポ女子アマゴルフ選手権最終日(13日、静岡カントリー浜岡コース&ホテル小笠コース=6279ヤード、パー72)単独首位から出た滝澤里菜(19)=大阪学院大1年=が1イーグル、2バーディー、1ボギーの69で回り、通算7アンダーで優勝した。大会4度目の出場で初制覇。今年急成長したニューヒロイン候補が、来年の女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」(静岡・川奈ホテルGC富士C)本戦の出場権を獲得した。 終盤に勝負強さを見せ、秋の静岡での戦いを制した。滝澤は17番(パー5)をイーグル、18番(パー4)をバーディーでフィニッシュ。スコア提出後にライバルらから大きな拍手で祝福され、照れ笑いした。 「とてもうれしいです。2日目に崩さなかったのが良かったです」 2位に1打差の単独首位でスタート。前半はチャンスにつかず、全てパー。後続の猛追を受け、「バーディーを取らな、負ける」とスイッチを入れた。11番でバーディー。しかし直後のボギーで並ばれ、その後に首位の座を明け渡していた。 勝負を決めたのは、1打ビハインドで迎えた17番だ。58度のウエッジで打った第3打は、44ヤード先のカップに消えた。逆転のイーグル。最終18番は12メートルのバーディーパットを沈め、逃げ切った。 奈良・生駒市で育ち、父・治生さんの影響で小3でゴルフを始めた。運動神経が抜群で「昔はやんちゃで」と母・絵美さんは笑って回想する。170センチの長身を生かしたドライバーショットが魅力で、この大会では、大阪桐蔭高2年だった2022年の「女子アマドラコン日本一決定戦」を323ヤードで制した。ただ、本戦の結果にはつながらず、初出場の21年から55、67、41位。その状況を変えたのがアプローチの上達で、きっかけは、思わぬときに訪れた。 今年2月、昨夏から続いていた体調不良が悪化。2、3月は週1回ほどしか練習場に行けず、大阪学院大進学後の4月に競技復帰した際は、ドライバーの飛距離が約10ヤード落ちていた。「前と同じじゃスコアが作れなくて」と滝澤。必然的にアプローチの機会が増え、練習量も増加。同時期に自宅の屋上にアプローチの練習場を作ってもらい、部活後に毎日約40分間、集中して練習。新たな姿で結果を出した。 初のプロツアー出場となる来年の「フジサンケイレディスクラシック」では「山下美夢有さんと回りたい。本当に憧れです」と、昨季まで2年連続年間女王に輝いた大阪桐蔭高の先輩とのラウンドを望んだ。「この冬でたくさん練習して、飛距離を生かしたチャンスをたくさん作れたら」。穏やかな口調に思いを込めた19歳が、川奈でも力を出し切る。(高橋朝香)