河合優実が選ぶ2025年注目の10人 共通点はジャンルを超える「オリジナルな色」
ドラマ「不適切にもほどがある!」、映画「ナミビアの砂漠」など話題作に出演した俳優・河合優実さん。そんな彼女がカルチャーの分野で気になる人たちとは──。AERA 2024年12月30日-2025年1月6日合併号より。 俳優・河合優実さんが選ぶ2025年注目の10人はこちら * * * 2024年、本職や軸足を置いている分野から飛び出して、いろんな発信の仕方をしている方が多くなっているというのはすごく感じました。それから作り手ではない人たちがそちら側に回るみたいなことも、身の回りで結構ありました。近年に限らず、だんだんそういう流れになっていくのかなと思います。 加えて「こういう形の中であなたはこういう仕事をするべき」という敷かれたレールや大きなシステムみたいなものがガラガラと崩れた感じが最近はするので、そのぶん表に出ている人たちも、自由にボーダーを越えていく時に入っているのかなと。 お芝居だけを続けていくことが美徳とされていた時に生まれていないし、みんなが好きなことをやっているので、自分も興味のあることに躊躇せずに飛び込んでいいんだなという気持ちになりますね。演じることをずっと夢見て仕事を始めた感じではなくて、いろんな得意分野がある人が力を持ち寄って物を作ること全体を楽しんでいるので、いろんな関わり方があるかなと思います。 そんななか「たくさんの人に見られる」ことがこれからもしばらくはメジャーの目指すところではあると思うので、テレビも映画も配信も、作る側がどんな作戦を練っていくのかすごく気になりますね。誰に向けてどういう作品を作るべきなのか、どうやって見る人に選んでもらえるか。ちゃんと未来に残る、いろんな人に届く、価値ある作品を作っていきたいと思います。 それでいうと、「不適切にもほどがある!」は本当に初めてのことだらけでしたが、今の人が感じていることを今の人にリアルタイムで見てもらうことができたので、テレビドラマですごくよかった作品だなと思いました。今は昭和の時代のようにみんなで同じものを見たり同じ人を応援したりすることがなかなかないので、そのなかで毎週のリアクションをダイレクトに感じられたのは新鮮でしたね。 注目の10人は、作品やその人自体に感動した体験を思い出して選びました。まずボー・バーナムの音楽を織り交ぜたコメディー「Inside」は本当に見てほしいです。悲しみと人を笑わせたい気持ちが隣り合わせな感じがして。ドラマ「私のトナカイちゃん」のリチャード・ガッドもコメディアンで、主演・脚本・製作を兼ねる多才な人。