「自分にできることを」 高校生が被災地支援活動を報告 和泊町
3月末に能登半島地震被災地でピッツァの炊き出しボランティアを行った東宏樹さん(16)=鹿児島県姶良市在住、開陽高校2年=の講話会が21日、和泊町の子育て支援施設SMAPPY(スマッピー)であった。東さんは3カ月近くたっても復興が進んでいなかった被災地の状況や被災者の苦労を語り、「被災地に行けなくても、精いっぱい自分にできることをしてあげることが大事」などと語った。 東さんは県本土出身で親の転勤で昨年まで和泊町に住んでいた。講話会は東さんの来島に合わせて同施設が主催。施設の放課後児童クラブを利用する小学1~6年生、地域住民など20人余りが参加し、熱心に耳を傾けた。 東さんは小学2年生の時からピッツァ職人を目指して独自に勉強。現在も地元の店でアルバイトをしながら腕を磨いている。被災地支援には、知人のSNS(インターネット交流サイト)を通じた呼び掛けがきっかけで参加。石川県七尾市で、事前に作った生地を焼き上げ、被災者に提供した。 支援活動を振り返り、「技術ではなく、食べてもらう人を思い、一つ一つ丁寧に作ることでピッツァに気持ちが入るから、あったかいと感じてもらえるんだと気付いた」と東さん。「行ってよかったと思う。皆さんがボランティアに行くのは難しいけれど、被災地のことを考えたり、知ろうとする気持ちを持っていてほしい。その気持ちは被災地に伝わると思う」と呼び掛けた。 講話を聞いた和泊小学校の児童は「ボランティアに行くことが終わりではなくて、そこで人を笑顔にするのが大事だと分かった」と感想を話した。講話の前には、東さんを講師にピッツァ作りの体験会も行われた。