万博会場へのアクセス メトロ『中央線』に集中必至 スタッフが間に来られず「開けられない日も…」と担当者
■交通混雑対策に「万博TDMパートナー登録制度」 “お願いベース”ではなくインセンティブも必要
来場者だけでも、1日20万人以上を見込んでいるという万博だが、交通混雑はどうなるのだろうか。 解消するために協会は、大阪府内の企業に“時差出勤”や“テレワークの活用”、“通勤・配送ルートの変更”などの“協力を呼びかけ”る。 さらに「万博TDMパートナー登録制度」という制度をつくり、これに企業が登録すると、 ・混雑状況などを通知。 ・取り組みを万博のHPで公表するため、企業イメージが向上 などがメリットになる、と打ち出している。10000社の登録を目指しているが、現在はおよそ400社の登録にとどまっているという。 大阪大学大学院 安田洋祐教授:ある程度は有効だと思うんですけれども、お願いベースで何かやってもらうだけではなくて、例えば時間帯によって、混雑時は電車料金を高くするダイナミックプライシング等を併用して、少し経済的なインセンティブと、こういったお願いベースの取り組みを合わせながらやっていった方が、より効果が期待できるんじゃないかなと思います。
■「並ばない万博」を銘打ったのに、日時指定なしの「紙のチケット」の販売?
交通混雑の対策は他にもある。万博協会は「並ばない万博」の実現に向け、来場日時やパビリオンの観覧も、完全予約制にすると考えている。 大阪大学大学院 安田洋祐教授:僕自身、上海万博に行った時、とにかく混んでいたんですよ。人気のパビリオンは数時間待ちというのが当たり前で、行ったはいいものの、そこまで満足度が高かった印象は無いんですよね。最近、テーマパークでも待たない事前予約が普及してきているので、そういったIT技術を活用して、できるだけ並ばない形で日付を決めるだけじゃなくて、各パビリオンでスムーズに並べると待ち時間少ない間に散歩したり、お土産グッズを買ったりすることができるといいですよね。 しかし6月21日になって、吉村知事は「コンビニでも、日時指定なしのチケットの販売をするべきだ」と発言した。 これはスマホに不慣れなお年寄りなどが、万博に行きやすいようにということを考えての対策だという。 ただ予約制にすることで、混雑をある程度コントロールしようとしていたのに、予約なしチケットということになると、予測できなくなるのでは… 関西テレビ 神崎博報道デスク:1970年の大阪万博の時は、皆さんアメリカ館めちゃめちゃ並んだとか、ソ連館めっちゃ並んだとか、混雑と万博というのは、ある種セットと思われています。それを解消するために、今回はスマートフォンを使って、完全予約制にして、並ばない万博と銘打ったんですけど、結局、紙のチケットで日時指定せずに来る人ができたら、混雑の予想ができなくなるようになってしまいます。せっかく新しい万博を見せようとしてたのに、いつもの『並ぶ万博』を繰り返すことになるので、ちょっと残念かなと思います。 交通混雑ということになると、私たち市民にも直接影響する部分もあるので、万博期間中も私たち市民の不安なく生活を送れるような情報発信をしてほしい。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月25日放送)
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