高速バスの運転手は19歳!! JR東海バスで初登用 「拡大するニーズに対応」 11月からデビュー「運転手を目指したきっかけはバス事故」 法改正で若い世代も『大型二種免許』を取得できる時代へ
JR東海バスに同社初となる“19歳の運転手”が誕生します。 大型バスの運転手に必要となる「大型二種免許」。2020年の道路交通法改正により、2022年5月より大型二種免許取得の受験資格が見直され、一定の条件を満たせば、19歳で同免許を取得することができるようになりました。 法改正により、今までより若くして夢を叶えるチャンスが得られるようになった“大型バスの運転手”。この変化を機に、JR東海バスにて“19歳”という若さで運転手に登用されたのが、上川航河さんです。
高校生の頃、バスに乗車していた際、乗用車がバスの側面に衝突する事故に遭遇したという上川さん。その時に乗務していた乗務員がしっかりと乗客に寄り添い、事故処理をテキパキとこなしていた姿に感銘を受け、バス運転士を目指すことを決意したといいます。 高校卒業と同時にバス運転士としての仕事に就きたかったという上川さん。しかし、「大型二種免許」の取得要件が足らず、一旦他職において接遇のスキルを磨き、バス会社へチャレンジするタイミングを探っていたところ、HPでJR東海バスの高速バス運転士募集が目に留まり応募したといいます。 JR東海バスでは、拡大する乗客のニーズに応えられるよう、十分な輸送力を確保するためバス運転士の採用に注力。 同社担当者は上川さんの登用について、「若い運転士を採用することは、今後より長く活躍してもらえるため有意義。上川さんのように、意欲を持った若い方のチャレンジもお待ちしております」と話し、続けて「ただし、当社として特定の年代の方を求めているわけではありません。お客様の命を預かることのできる責任感と技能、意欲と向上心を持っている方であれば年代を問わず、多くの方に当社で活躍していただきたいと考えております」と、採用に対する思いを明かしました。
大型二種免許を取得できる年齢が若くなったことで、“若い世代”の登用が可能となったバスの運転手。一方で、若いと普通自動車の運転歴が長くないことから、JR東海バスでは養成の際、指導運転士と管理者がしっかりと運転手の弱点を探り、本社の安全管理部門と連携しながら、丁寧な指導を実施。「当社の運転士養成は、安全に対するゆるぎない姿勢を身に着けていただくため厳しい部分もありますが、多くの若い方にチャレンジしていただきたいと考えております」と話しました。 2024年8月1日にJR東海バスに入社した、上川さんも研修の真っ最中。同社担当者によると、上川さんは3ヶ月にわたる空車での運転訓練(客を乗せずに指導運転士とマンツーマンで行う訓練)や実務研修を終え、10月15日にその成果を確認する選任審査にストレート合格。現在は、客が乗車した営業便にて指導運転士と共に乗務し、11月2日から単独乗務を開始する予定だといいます。