チーム残留を決めた東洋大のエース松山和希が5年目の決意を語る「卒業前にマラソンに挑戦したい」
第100回箱根駅伝(1月2、3日)で4位と健闘した東洋大のエースで、5年目もチームに残留することになった松山和希が3日、新シーズンにかける決意を明かした。「4年生をサポートして、チームに貢献したい。競技者として、ひとつずつやるべきことをやっていきます」と前向きに話した。 2020年に入学した松山は1年時から東洋大の主力として活躍。箱根駅伝ではエースが集う「花の2区」で1年時に区間4位、2年時に日本人2位の区間5位と健闘した。4年時の第100回箱根駅伝では2区を梅崎蓮(現4年)に譲り、4区で区間2位と力走。往路4位、総合4位に貢献した。本来は今年の3月に卒業するはずだったが、24年度も「実質5年生」としてチームに残る。酒井俊幸監督(47)は「学業も競技も東洋大でやり残したことがあるということです」と説明した。 箱根駅伝の出場は、16人の登録メンバー入りを含めて4回まで。松山は3年時の第99回箱根駅伝では故障とインフルエンザ感染の影響で登録メンバーから外れたため、24年度の第101回箱根駅伝の出場資格を持つ。「今、次の箱根駅伝のことは考えられませんが、自分が走る状況になったら、みんなに納得してもらえるような走りをしたいです」と松山は冷静に話した。 来年1月の箱根駅伝の先についても言及。「来年は、しっかり卒業して、実業団に進みたい。卒業する前の来年2月か3月に初マラソンに挑戦したいですね」と意欲的に話した。 酒井監督は「箱根駅伝が終わった後、しばらくしてから、松山とじっくり話し合いしました。今は松山も気持ちを新たに切り替えています。チームの一員として同じ環境で生活し、練習を積んでいます」と明かす。両親や酒井監督と話し合いを重ね、熟慮の結果、チーム残留を決めた松山は、強い覚悟を持って「東洋大5年生」のシーズンに臨む。 ◆松山 和希(まつやま・かずき)2001年12月4日、栃木・大田原市生まれ。22歳。大田原中3年時に全国都道府県対抗男子駅伝6区(3キロ)で8分29秒の区間記録(当時)をマーク。福島・学法石川高では全国高校駅伝1年5区3位、2年3区4位、3年1区2位と安定した成績を残した。2020年、東洋大総合情報学部に入学。自己ベスト記録は5000メートル13分48秒80、1万メートル28分42秒17、ハーフマラソン1時間43秒。168センチ、50キロ。 ◇箱根駅伝の出場資格 ▽回数 戦前は制限がなく、日大の曽根茂は1927~34年に8回も出場した。現在は登録を含めて4回まで。 ▽年齢 1992年まで27歳以下の制限があり、1987年に28歳だった駒大4年の大八木弘明(現総監督)は出場できなかった。戦前や現在は制限なし。1939年に33歳131日で5区区間賞に輝いた村社講平(中大)が最高齢出場。中学体育教師を休職して駿河台大に編入学した今井隆生は2022年に31歳124日で出場した。 ▽5年生 近年では2016年に東洋大の五郎谷俊が5区3位、2021年に青学大の竹石尚人が5区17位、2023年に国学院大の島崎慎愛が6区12位、同年に創価大の嶋津雄大が4区8位の成績を残した。
報知新聞社