大谷翔平とロバーツ監督、2人が面白がってネタにした「記録」 ポルシェのミニカー渡した伏線は4月に【2024年ちょっといい話】
【大谷翔平と仲間のちょっといい話(第4回)】 大谷翔平の会見に監督が乱入してきたのは、おそらく初めてだろう。昨年5月4日のブレーブス戦。大谷が監督が持つ「球団の日本生まれの選手最多本塁打」を更新する今季8号本塁打を放った。その試合後、大谷が話している最中、満を持してドジャースのデーブ・ロバーツ監督は登場した。 大谷からもらった「ポルシェのミニカー」を持ってきて独演会。「翔平、記録更新おめでとう。これは僕の車だ。ジョー・ケリーにあげた車は監督室には入らない。でも、この車は自分の机に置ける」。 ポルシェとアンバサダー契約をしている大谷は、背番号「17」を譲ってもらったケリー投手の奥さんに本物のポルシェをプレゼントして話題になった。監督はとっておきのジョークを言ってご満悦だった。 記録更新の試合前の取材で、ロバーツ監督はうれしそうにメディアに切り出した。同監督が持つ「球団の日本生まれの選手最多本塁打」に並んだ記念に、「翔平からプレゼントをもらったんだ」と。 決して「大記録」ではない。大谷があっさりと抜いた「記録」だが、2人は面白がって「ネタ」にした。大谷がポルシェのミニカーを渡した伏線は、4月のワシントン遠征の監督の発言だろう。「監督の記録が破られたら、ポルシェでももらう?」と聞かれると、監督は「いいね、それ」と即答していた。 その返しが、「ミニカー」だった。大谷流のジョークに、監督は「僕がどんなポルシェの車種がいいのか言わなかったから、素晴らしいおもちゃのポルシェをくれたんだ」と巧みに切り返した。 大谷は今季終了後、監督との関係についてこう言った。「数カ月で何年かプレーしている距離感だった。壁をつくる監督でもない。数カ月で心地よくプレーでき、いい関係性で、いい結果を出して終われた」。陽気で常にポジティブな監督と大谷の波長はあった。(阿部太郎)
中日スポーツ