全日本大学ボウリング選手権 男子は18年ぶり5回目、女子は3連覇!初のアベック優勝!
世代屈指の実力を持つボウリングの日本代表、斉藤翔選手が率いる同志社大学のボウリング部の快挙に迫ります! 斉藤選手は、今年が学生最後のシーズンです。 今月の団体戦、そして来年2月の個人戦で日本一を目指します。 2024年の2月。 「まさに翔タイム!(ストライク)」 大学2年だった斉藤翔選手は、強さの理由を聞かれると? 【声】同志社大学 斉藤翔選手(当時大学2年) 「(学業もあり)毎日練習する時間がなかったので、あえて練習せずに、1週間空けて、すぐに調子が戻るかとか、調子を維持するのでなく調子がいいように戻す練習をするようになったら、結果が出た」 練習をセーブして、調子を良くするという、にわかに信じがたい方法で斉藤選手は、個人戦の大学日本一に2年連続で輝きます。しかし・・・ 11月28日の取材で、斉藤選手は、2年の終わりから、極度のスランプに陥ったことを明かしました。 【声】同志社大学 斉藤翔選手(4年) 「少しずつ、周りのレベルが、コロナ禍よりも練習量が増えたので、それもあって自分の練習量が、試合で追いついていないと思う瞬間があった」 これまで通りの練習では、結果が出なくなり、不の連鎖が生れます。 【声】同志社大学 斉藤翔選手(4年) 「(調子が)いい時は少し悪くても、次も大丈夫という自信があったのですが、悪い成績が続くと自信もなくなってしまい胸を張って投げられない」 スランプとは裏腹に、斉藤選手に憧れを抱く有力選手たちが、続々と同志社大学へ入学しました。 そして去年、創部(1962年)史上最強と言われたメンバーで、団体戦の大学日本一を目指します。 しかし、決勝ラウンドで、まさかの逆転を許し、同志社は準優勝に終わりました。 尊敬する先輩を優勝させてあげられなかった。 この敗戦を機に斉藤選手は、なりふり構わず、猛練習に励みます。 最後のシーズンでリベンジを果たしたい。 【声】同志社大学 斉藤翔選手(4年) 「ケガをしてでも最後の一投を必ずストライクを出す。 "練習量"と"気持ち"は負けないように頑張ります!」 斉藤選手は、12月7日から3日間、神奈川県で行われた団体戦の全国大会で、キャプテンとしてチームを引っ張りました。 男子の団体戦は、5人1組で15ゲームのトータルスコアを競います。 同志社は、予選ラウンドの序盤、スコアが伸び悩みます。 このピンチを救ったのが、大学からボウリングを始めた岡田選手です。 去年の準優勝メンバー4人の中に新加入した岡田選手が、ハイスコアを出してチームを支えたのです。 同志社は、予選9ゲームを終え、2位で準決勝に進出しました。 ここから同志社は、斉藤選手と共に日本代表に名を連ねる2年の菅原選手や熊選手が実力を発揮してスコアを伸ばします。 準決勝12ゲーム終了時点で、2位・名古屋産業大学におよそ300ピンの大差をつけ、決勝に駒を進めました。 3ゲームで争う最終日の決勝ラウンド。 男子と共に、ファイナルに進んだ女子は大会3連覇を目指しました。 注目は、群馬県出身1年の渡辺です。 高校3年だった去年の夏、アジアジュニア選手権で、銀メダルに輝きました。 男子の斉藤選手らに憧れを抱き、同志社大学に入学しました。 渡辺選手は、2連覇のメンバーのひとり、3年の石本とペアを組み、他の大学を圧倒し、大会3連覇を成し遂げました! 【声】同志社大学 石本恵梨奈選手(3年) 「私の方が2年先輩ですが、頼りなさ過ぎて申し訳なかった。 どんどん引っ張ってくれてありがとうございました」 【声】同志社大学 渡辺希哩選手(1年) 「自分がわからなくなった時も大丈夫だよと、励ましもしてくれて、すごく投げやすくて、これがチーム戦なのだと改めて、わかる試合になった」 一方、男子は、決勝ラウンドで、岡田選手がブレーキとなり、チームに勢いが失われます。 刻々と変わるレーンのコンディション。 きのうまで倒れたはずのピンが・・・倒れない。 キャプテン斉藤選手にも珍しい・・・ミスが出ます。 去年、決勝で逆転された、悪夢が蘇ります。 2位、名古屋産大は、捨て身の攻撃が功を奏し、同志社を猛追します。 およそ300ピンあった差は、最終ゲームの9フレーム目、松本選手がミスをした段階で、ほとんど無くなっていました。 優勝を決め、男子の応援に駆け付けた女子選手も涙を浮かべながら、勝利を祈ります! ゲーム中、上野監督からほとんど、リードがないと聞いていた斉藤選手は? 【声】同志社大学 斉藤翔 主将(4年) 「点数差を聞いていましたが、それをみんなには、伝えなかった。 同じ日本代表の後輩には伝えましたが、全員に伝えてしまうと、少し緊張してしまうかなと思ったので・・・」 キャプテンの判断が、勝負を分ける結果になりました。 10フレーム目、松本選手が、3連続ストライクでリカバリーすると、さらに岡田選手も3連続ストライク! 土壇場で同志社は2位を突き放し、見事18年ぶり5回目の優勝を飾りました。 【声】同志社大学 斉藤翔 主将(4年) 「ひとりではできない優勝だったので、みんな一人一人が、一投、あきらめず投げた気持ちは、嘘はない。 その努力に嘘はない。ボウリング人生で一番うれしい優勝となりました」