目立つ「総務省出身」知事 全国で13人 早稲田塾講師・坂東太郎の時事用語
なぜ総務省出身が多い?
旧自治・総務省の官僚は本省と地方を行ったり来たりして次第に特定の都道府県に精通していきます。仕事は行政、財政、税制と幅広く、まず課長として出向して戻ってきた後に今度は部長へ、さらにいったん帰って後に副知事といったように根付いていきます。総務省も他の大半の省庁と同じく局長クラス以降のポストが激減するため、地方自治体の長へと転身しようとの思いが募るのでしょう。 旧自治省は戦前の内務省の流れにあります。内務省は旧自治省を始め、今でいう厚生労働省、国土交通省、警察庁などが一体化したスーパー官庁でした。戦前は知事の人事権が内務省にあり(官製知事)、地方は中央の出先機関同然の扱いとなっていたのです。戦後内務省は解体され、知事は主にそこへ住む有権者の直接選挙で選ばれるようになりました。 都知事で見ても、初代の安井誠一郎氏や鈴木俊一氏(4期)などの内務官僚出身者がその地位に就いています。