“2023年のベストホラー”と称賛され、次作はA24とタッグ!『スキナマリンク』ホラー界の新鋭監督とは?
わずか1万5000ドルの制作費で興行収入200万ドルを超えるスマッシュヒットを記録し、北米の数多くのメディアから“2023年のベストホラームービー”と称賛された『SKINAMARINK/スキナマリンク』が2月21日(金)より日本公開。本作で長編監督デビューを飾ったカイル・エドワード・ボールをご存知だろうか? 【写真を見る】人々の悪夢を再現してYouTubeに投稿!A24からも声がかかった気鋭のホラー作家、カイル・エドワード・ボールって何者だ? カナダのアルバータ州エドモントン出身のボール監督は、ミニマリズムと昔のハリウッドにインスパイアされたトリック写真を用いて、人々の悪夢を再現した「NIGHTMARES」という短編ウェブシリーズを2017年にYouTubeで始動。一躍、次世代のホラークリエイターとして注目を集め、世界中のホラーファンからカルト的人気を獲得した。 そんなボール監督が、自身の持ち味である“現実と悪夢の境界”を彷徨うような実験的な映像と、解釈を受け手に委ねるミニマリスティックな演出を駆使して生みだした『SKINAMARINK/スキナマリンク』。真夜中に目が覚めた2人の子ども、ケヴィンとケイリーは、家族の姿と家の窓やドアがすべて消えていることに気付く。取り残された2人は歪んだ時間と空間に混乱しながら、暗闇に潜む蠢く影と、悪夢のような恐ろしい光景に飲み込まれていくことに。 「シャンタル・アケルマンの『ホテル・モンタレー』に間違いなく影響を受けていますし、スタン・ブラッケージやマヤ・デレン、マイケル・スノウの『Wavelength』にも影響を受けています」と明かすボール監督。ほかにもデヴィッド・リンチやスタンリー・キューブリック、カナダの名作ホラー『暗闇にベルが鳴る』(74)のリメイク版である『ブラック・クリスマス』(19)や、アンドレイ・タルコフスキーの『惑星ソラリス』(77)からも影響を受けたのだとか。 本作の成功を受けて、A24とのタッグで次回作となるホラー映画『The Land of Nod』を手掛けることも発表されているボール監督。その今後の動向にも注目しながら、まずは北米中を阿鼻叫喚の渦におとしいれた最恐のイマジネーション・ホラーを、劇場のスクリーンで体験しよう! 文/久保田 和馬