子どもの勉強「教えないほうが伸びる」納得の要因。教え上手な人・下手な人の差はどこなのか?
教科書に書いてあるような説明をダラダラとしても、聞いている側は退屈ですし、受け身の姿勢になるので頭にも残りにくいです。 その代わりに、生徒に質問を投げかけてしゃべってもらうのです。 まずはフックとして、「日本は米作りが盛んだけど、ほかにたくさんお米を作っている国って知ってる?」といったように、興味を引き出すような質問をします。 生徒が答えられない場合は、世界地図を見せながら「ほかには中国やタイでも稲作が盛んなんだけれど、これらの国に共通することって何だろう?」と、少しずつ核心に迫るような流れで質問しながら、生徒に考えさせたり、話させたりする機会を与えるのです。
こうすれば、生徒にどのくらいの知識や理解度があるかを測ることもできます。先生側も、余計な説明を省いて必要なことだけ言えば済むでしょう。 こちらの質問に正しく答えられた場合は「お、よくわかったね!」など、合いの手を入れながら説明と質問を交互にしていくと、生徒の気持ちも次第にノってきます。 考えてもわからないような難しすぎる質問は避け、生徒のレベルに合わせながらヒントを出してあげると上手くいくでしょう。一方的な説明を避けられるだけでなく、生徒が主体的に勉強している感覚を持たせることもできます。
この「生徒に話させる」というのは、どの教科でも同じです。例えば、算数の文章題で「900m先の公園まで分速60mで歩いたら、何分かかるでしょう?」という問題を解く場合なら、 「距離・速さ・時間の関係の式って覚えてる?」 「うん」 「この問題だと、その3つのうちどれがわかるかな?」 「距離と速さかな」 「そうだね。じゃあこの問題は時間を求めるわけだから、式はどうなるかな?」 といったように、質問をはさみながら説明を進めていくとスムーズに指導することができます。
■質問には質問で返す もう1つのポイントである「質問には質問で返す」ことも大切です。 勉強を教えていると、「これってどういうことですか?」「どうやって解けばいいですか?」などと聞かれることが多々あります。 このときも、質問に対して一から十まで答えてしまうと、生徒の成長の機会を奪ってしまいます。そこで有効なのが「質問には質問で返す」ことなのです。 例えば英語を教えているとしましょう。“He must be hungry.” という英文をどう訳せばいいのかと聞かれたとします。