【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義⑤】編集長の故郷グルメツアーは、三菱アウトランダーPHEVとマツダCX-60の上級SUVフルコースを味わう旅だった
ご当地やら海鮮やらで故郷への旅を味わう
そこで国見サービスエリアで一度休憩。ここではご当地のグルメやお土産を物色。これも旅の楽しみのひとつだ。 再び走り出す。いつも思うが、八戸までの道のりはここからが長い。何せ本州イチ面積の広い岩手県がある。 そこでここからは精度の高いマイパイロットに頼ってみる。アウトランダーの場合はナビリンク機能によって、コーナー手前で減速するアシストも付くのだが、東北道でももちろん作動した。 そうした中、同行したカメラマンとは会話を楽しむ。MM誌の昔話や撮影裏話など興味は尽きない。 左手にそびえ立つ岩手山の姿が見えてきた。そろそろゴールは近い。ここまで来ればあともう少し・・・ほどなく目的地、青森県八戸市に到着。 全国屈指の水産都市でもある八戸の見どころは、やはり海沿いにある。国の天然記念物に指定されている蕪島、三陸復興国立公園内にある種差海岸、あとはやはり海鮮グルメといったところだろうか。 八戸ではまず昼食、その後は海沿いをドライブ、夕方には投宿。そのタイミングで自分はアウトランダーPHEVを友人の自宅で充電させてもらうことにした。 夜は同級生が店長を務める日本料理店で地元の食材を使った料理を堪能。食事をしながら、仕事の話からくだらない話まで話題は尽きず、閉店まで長居してしまった。 翌朝、出発の時である。地元でも大人気で休日には大行列ができる食堂へ2人を案内した。その間私はおにぎり1個で空腹を我慢して、一人で地元をドライブすることに。 そういえば、いつの間にか東京での暮らしの方が長くなっていた。それでも、ここへ来て見慣れた景色を見れば生まれ育った場所はいつまで経っても故郷なんだなと感傷に浸っていたら、満腹になってごきげんな2人が帰ってきた。
仲間に支えられながら、また旅に出よう
復路の相棒はマツダCX-60だ。乗り換えて、八戸市を出発する。 電動感強めで先進的なアウトランダーPHEVと比べると、縦置き直列6気筒エンジン+後輪駆動の組み合わせの走りは真逆の印象で、旧き佳きクルマらしさが漂う。 3.3L直6ディーゼルターボエンジンの、その目覚めとともにアクセルペダルから伝わる、少し荒々しい鼓動も気分を高めてくれる。 足まわりはかなり引き締まっていて少々硬いが、センター付近の精密感高めのステアリングなどは欧州車のようである。レーンチェンジ時のシャープさからも、かなりスポーティに振っていることが伝わる。 帰路は少し疲れも見えてくるかなと思ったが、CX-60となら帰路も楽しめそうな気がした。まだまだ改良で進化していきそうだが、国産車でこのパッケージングに乗れること自体がワクワクするし、これからどうなっていくのかと期待してしまう。 今の時代にこのようなクルマを作ってしまうマツダの独自性には正直、惚れた。 ここからは休息しながら帰京。羽生SAに到着した時はすでに23時だったが、疲労感が少なかったのは運転と旅が楽しめた結果だ。 旅に出る理由も楽しみ方も人それぞれだが、今回の旅は同行者があまり行ったことのない場所で私の故郷だったので、案内係に徹したが、その感想を聞くことで自分では今まで気づかなかった地元の良さを再確認することもできた。 そして、この旅で改めて自分は多くの人に支えられていることに気づいた。持つべきものは友であり、仲間。かけがえのない存在だ。ありがとう、みんな。早くも次の目的地が浮かんでしまった。(文:中村圭吾 MotorMagazine編集部/写真:永元秀和)