「とっておきを1つ」話すよりも「3つ」用意して伝える…相手との距離感が縮まる話し方のコツ
1つはひねったものを入れる
「ベスト3」を出していくと、自分の中の価値判断の基準がわかってきます。 私は以前、ゲストで呼ばれたラジオ番組の企画で「松田聖子さんの曲のベスト10を出してください」と依頼されたことがあります。選んだ曲を番組でかけてくれると言うのです。 これを考えるのは、結構楽しかったですね。「第何位から考えようか、みんなが知っている曲ばかりだと少し意外性がないかな」などと考える時間は、聖子さんの曲に対する自分自身の捉え方を見直すことにもつながりました。結局第1位にはアルバム収録曲の「ハートをRock」を入れました。 ベスト1ではなく、ベスト3まで考えることで、「シングル曲以外のものを入れる」ような、ややひねったチョイスも加えることができます。 たとえば「好きなマンガ家ベスト3」を言うとき、「井上雄彦、尾田栄一郎、つげ義春」と答えると、「えっ、つげ義春?」と、少し面白味が出てきますよね。 誰もが知っているものに一般的ではないものを忍ばせる、というのも、情報提供の一つの技術。コミュニケーションでは「えっ?」と思わせることも必要なのです。 なお、相手におすすめの情報を聞いて紹介されたものは、素直にそれを試してみましょう。映画であれば、サブスクなりレンタルなりで観て、簡単にでも感想を伝えることで、次に相手と会話をする糸口ができます。 聞いておいて観ないというのは失礼ですし、誰かのおすすめを知ることで、自分の情報の幅も広がります。そうして「あの人はなんでもよく知っている」と思われると、会話の接点もまた広がるでしょう。
情報を持つことが求心力になる
なお「この分野なら任せて」という自分ワールドを持っている人は、それが個性につながります。 大学の授業で「4人一組になり、LINEを交換して友だちになろう」という課題を出したことがありました。そのとき、あるグループにラーメンに詳しい学生がいて、みんなでラーメン店に行くという企画を実行したのです。 単にラーメンに詳しいというだけなのですが、それでも、グループ内のまとまりをつくるのに、とても役立っていました。 そのほか、「スライドの作成は任せてほしい」「マンガに詳しい」「Webビジネスは詳しい」など、ある程度の情報を持っていることも、魅力の一つになるし、相手に覚えてもらいやすいでしょう。好きなことについては、とことん掘り下げるのもよいと思います。