「とっておきを1つ」話すよりも「3つ」用意して伝える…相手との距離感が縮まる話し方のコツ
「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる #1
会話を通じて相手との距離感を詰めるには、とっておきを1つ伝えるよりも選択肢を3つ用意するのがコツ。 【イメージ】誰もが知ってるものが会話の糸口になりやすい 明治大学教授の齋藤孝さんが40年にわたって続けてきたコミュニケーション講義のエッセンスを紹介した『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』より一部抜粋、再構成してお届けする。
話す時は最大1分で面白いことを3つ
新しい情報を適度に提供してくれる人は、相手によい印象を与えます。 何も、教養あふれる話題を提供せよと言っているのではありません。「こんなお店がおいしい」「サブスクだとこのサービスが便利」といったような、日常生活に役立ちそうなちょっとした情報でいいと思います。 仕事関係の相手であれば、業界の情報など、仕事に役立つ話題は相手も関心があるでしょう。 また「何かおすすめの映画はありますか」と聞かれたとき、「たくさんありすぎて……」と返してしまうのでは、次に話が続きません。 相手は「何か教えてほしい」と言っているのだから、「『ショーシャンクの空に』はよかったですよ」とか「インド映画の『RRR』は絶対おすすめです」など、何らかのタイトルを出したほうが、話は続きやすいでしょう。
おすすめの情報は、2つか3つ
おすすめを聞かれて困る人は、一つに絞り切れないということがあるのではないでしょうか? そのときは自分の「ベスト3」を挙げてみましょう。 すると、相手は自分の好きなものを選びやすいですし、相手が気に入るかどうかを気にしすぎることもなく、紹介するほうも気楽です。 それでも「こんな映画を推したら、マニアックな人と思われないかな」「ちょっとこのシーンは好みが人によって分かれるな」というようなことがあれば、おすすめのポイント別に提案してもよいと思います。 映画の話の続きで言うなら、「みんなが感動するものは○○、過激なシーンを避けたいなら○○、サスペンスが好きなら○○」のように、おすすめのポイント別に提案できるとベストです。
「なんでもベスト3」をつくっておく
話せる話題を広げるには、どの領域においても「おすすめ」を3つくらいつくっておくとよいでしょう。私はこれを「なんでもベスト3」と呼んでいます。 自分が興味のある分野や、よく知っている分野について、あらかじめ「ベスト3」をつくっておきます。 どんなジャンルでも結構です。 たとえば「マクドナルドのメニューベスト3」「好きなポケモンのキャラベスト3」など。音楽に詳しいなら「ショパンのピアノ曲のベスト3」「歴代の優れたドラマーベスト3」など、特定のジャンルの限られた領域のベスト3でもいいでしょう。 また、話題を広げたいのであれば、あえて自分があまり知らないジャンルについて「ベスト3」をつくることに挑戦してもよいと思います。 あまり洋楽を聴かないのであれば、あえて「自分の好きな洋楽ベスト3」を見つけてみる。ユーチューブで少し探せば、すぐつくれます。 今まで洋楽について振られて、「いや、知らなくて」と返事をしていた人も、「最近、聴いたのですが、◎◎というバンドがいいですね」と話せると、それだけで会話ができる人が増えていきますね。