食品大手 今期の設備投資34%増計画 海外拡大、国内新拠点も
3月期決算大手食品メーカーの2024年度設備投資計画が出揃った。 全10社とも増やす見通しで、合計は5886億円(一部M&A含む)、前期実績比34.2%増となった。売上高(売上収益)に対する割合は平均5.9%(前期4.6%)。海外事業の拡大に向けた投資や、国内生産拠点の再編・拡充などを進める。 今期計画をみると、味の素社は4割増で1000億円超とする。構成比は調味料・食品が48%、冷凍食品が13%、ヘルスケア等が35%など。国内の食品生産設備、電子材料製造設備、米国のアミノ酸生産設備などを増強する。 日本ハムは3.6%増。食肉事業を中心に、加工事業、海外事業などに投資する。 明治ホールディングスは4割以上増で過去3か年では最も多い。前期減らした食品セグメントが6割増で22年度並みに戻し、構成比は8割超となっている。 マルハニチロは6割増で2年ぶりに約300億円を投資。水産資源事業で漁船建造、食材流通事業で排水処理設備、加工食品事業で冷蔵保管庫の新設などを予定する。 伊藤ハム米久ホールディングスは5.7%増の204億円。飛躍への種まきとして成長投資をスタートさせており、新三島工場(26年4月稼働予定)の建設などを進める。 日清製粉グループ本社は2年連続で大きく増やし(23年度56%増、24年度計画45%増)、450億円とした。国内製粉事業で水島工場新設(25年稼働予定)、米国子会社でサギノー工場の新ライン増設などを行う。 ニッスイは約560億円(M&A含む)と約2倍を想定。養殖を含めた資源アクセスの強化や海外事業などの成長分野に積極的に投資する。 日清食品ホールディングスは、グローバルな即席麺需要の高まりに応えるべく、生産能力の増強を推進。米国、ブラジルに新工場を建設する。前期実績約2.3倍、今期計画27%増と高水準で、売上収益に占める比率は12.1%と二ケタ台になる。 ニチレイは昨年に続き300億円台を予定。海外への投資割合が高まっており、今期は低温物流でポーランドとベトナムに冷蔵倉庫を新設する。 キッコーマンは3割増。国内の生産性向上、海外のしょうゆ増産および卸拠点の整備・拡張などを計画する。