極端な「脂質制限」は「肝臓の機能低下」につながる…そのメカニズムと対策を、専門医が解説
「脂肪肝」対策に「具だくさんみそ汁」が効果的
そこで、ダイエットや肝機能向上のために、もっとも手近で効果的な方法をご紹介していきましょう。 肝臓に起こる異常のうち、最も多くを占める「脂肪肝」は、その名の通り、肝臓に中性脂肪が溜まった状態です。脂肪肝になると、肝臓の機能は当然衰おとろえ、代謝が落ちて太りやすくなります。今や成人の3人に1人が脂肪肝ともいわれるため、早めの対策が肝心です。 肝臓の脂肪を減らすためには、糖質と脂質を適正量に抑えながら、代謝のスイッチを入れるタンパク質をしっかりと摂取し、代謝を促すために必要なビタミンやミネラルを過不足なく摂る必要があります。さらに、肝臓と密接に関わっている腸内環境を整えるため、食物繊維も摂るよう心がけなくてはいけません。 これらすべてを満たしてくれる魔法のような食べ物、それこそが、わたしは薦める1日1杯の「やせみそ汁」なのです。毎朝、具だくさんのみそ汁を最低1杯飲むだけで、肝機能は自然と回復し、代謝のよいやせる体が手に入ります。
L-カルチニンが肝臓の脂肪を撃退「ゆずこしょう香る豚汁」
それでは、実際にわたしが薦めている「やせみそ汁」のレシピをご紹介しましょう。おかずにもなる、具材がたっぷり入ったみそ汁なら、おいしく食べて食欲がしっかり満たされるだけでなく、自然と栄養バランスも整います。豚肉のL-カルチニンは肝臓の脂肪も撃退してくれます。 「ゆずこしょう香る豚汁」 【材料(2人分)】 豚こま切れ肉 75g にんじん 1/4 本 大根 2.5cm 玉ねぎ 1/4 個 長ねぎ 1/2 本 ごぼう 1/4 本 こんにゃく 25g 水 400ml みそ 大さじ2 ごま油 大さじ1 ゆずこしょう 適量 【作り方】 1 にんじん、大根、玉ねぎは皮をむき、長ねぎ、ごぼうとともに小さめの乱切りにする。ごぼうは水にさらす。こんにゃくはスプーンで小さくちぎる。 2 鍋にごま油を入れて中火で熱し、長ねぎ以外の1を加えて炒める。全体に油が回ったら豚肉を加えて炒め、色が変わったら水200mlと長ねぎを加えてふたをし、10分蒸し煮にする。 3 残りの水を加え、沸騰後火を止めてみそを溶かし入れる。器に盛りゆずこしょうをのせる。 ダイエット法は星の数ほどあれど、肝臓に溜まった脂肪を追い出すことが、もっとも効率的で科学的に正しい方法。ぜひ、わたしのご提案する「1日1杯のやせみそ汁」で肝機能を回復させ、代謝のよい“やせる身体”を手に入れてください。 『肝臓の専門医も飲んでいる…!「日本人」の身体を守ってきた、「1日1杯のみそ汁」のスゴい効能』へ続きます。
栗原 毅(栗原クリニック東京・日本橋院長)