県内に伝わる伝統芸能が一堂に集う『土佐の伝統芸能まつり』 踊りや演奏などを披露【高知】
RKC高知放送
高知県内に伝わる伝統芸能が一堂に集うイベントが10月13日、高知市で開かれました。 高知市帯屋町に現れたのは、四万十町下津井で受け継がれる全長約8メートルの真っ赤な牛鬼。 アーケード街をゆっくりと練り歩きながら、突然首を伸ばしたり舌を出したりするたびに歓声があがっていました。 13日に高知市で開かれた「土佐の伝統芸能まつり」は、県内各地に残る民俗芸能を未来へ伝えようと県などでつくる県文化遺産総合活用推進委員会が企画したもので、今回で2回目になります。 イベントには県内10の市と町から14の団体が参加し、丸の内緑地と県立高知城歴史博物館の2つの会場で踊りや演奏などを披露しました。 香南市夜須町の手結盆踊りは鎌倉時代に起源を持つといわれ、軽やかなリズムのお囃子に合わせた踊り子のしなやかな手足の動きが特徴的です。 佐川町で330年以上続くという四ッ白武士踊りは和紙で作られたシデが刀で切られ、吹雪のように飛び散る様子が見事な演舞です。 保存会の下八川孝雄会長は、後輩の存在が頼もしいと言います。 会場では土佐和紙の紙漉きなどを体験できるエリアや県内各地の料理を販売するエリアなどが設けられ、訪れた人たちが高知で受け継がれてきた伝統の世界を堪能していました。 ■観客 「いろんな芸能があることを知れてよかった」「こうした機会をまた作ってほしい」 2019年度から2021年度にかけて県が行った調査では過疎化や少子高齢化、さらに新型コロナの影響により、県内にかつて900あまりあった伝統芸能は500あまりほどに減少していて、危機的な状況に陥っています。 ■歴史文化財課長 中内勝さん 「こうした機会を通じて伝統芸能を知って地域に足を運んでもらい地域を活性化していく。もう1つは担い手支援事業を開始。学生や企業の人、県職員も地域に入って一緒に伝承していこうという取り組みを始めている。こうした取り組みを重ねながら次の時代につなげたい」 県は、大学生や企業の従業員などを伝統芸能を担う人材として派遣するなど、次世代への継承を目指すことにしています。