いよいよ「米国民主主義」=「弱肉強食制度」が崩壊するといえる「これだけの理由」
「資本主義=民主主義」ではない
誤解されがちなのが、「資本主義と民主主義」の関係である。 共産主義と民主主義が水と油の関係であることは、あえて説明する必要が無いだろう。国民の声よりも、常に「共産党の決定」が優先するのが共産主義である。 しかし、資本主義と民主主義がイコールの関係にあるのではないことも明らかだ。 もちろん、資本主義経済においては「自由市場」が前提だから、「経済的自由」はある程度尊重される。だが、「経済的自由」は2019年1月9日公開「客家・鄧小平の遺産を失った中国共産党の『哀しき運命』を読む」で述べた、1978年から始まった改革開放でも概ね保証された。 鄧小平は、「共産党一党独裁」を堅持しながら、「自由経済」を国民に与えることで中国を大躍進させた。1985年からソ連が始めたペレストロイカは、前述のように「時すでに遅し」であったが、1978年からスタートした改革解放はベルリンの壁崩壊時には10年以上が経過しており、「間に合った」のだ。 逆に言えば、「自由経済」を標ぼうする西側諸国の「国民が本当に(政治的に)自由」であるのか? という疑問も生じる。
西側に蔓延する全体主義
例えば、5月16日公開「紅麹よりもワクチンの安全性はどうなっている~パンデミック全体主義について今こそ冷静に考えるべき」で述べた、「ワクチンの安全性に対する疑問の声」が、当時「パンデミック全体主義」によって封殺されたのは明らかだ。 また、米国は独立宣言で「自由・平等」を唱えながら、平然と卑劣な奴隷制度を温存した二枚舌の国である。同じように「民主主義」を唱えながら、ウクライナやイスラエルを含む、南米、アフリカ、アジア、中東の独裁政権を支持・援助し、国民によって選ばれた民主的政権を(CIAの暗躍や軍事的侵攻などによって)叩き潰してきた。 さらに、国内の民主主義も風前の灯だ。6月9日公開「信頼されない『名誉白人』日本、経済ボロボロの欧州、政治が機能不全の米国…勢力拡大中のBRICSに先進諸国が『見捨てられて当然』の実態」3ページ「選挙も裁判もまともに行えない米国」の通りである。 5月21日公開「『日本のことが嫌い』な米民主党とどのように付き合うべきか」で述べたように、かつて奴隷制度を強力にサポートし、戦時中は「非白人」である日系人の財産を取り上げ強制収容所に送り込んだのが、「人種差別主義」の民主党である。 また彼らは、2022年12月26日公開「実は似通った中国と米国の内部対立、2023年の地政学リスクは高まる」で述べたように、中国共産党と極めて似通っている。 1954年の共産主義者取締法などにより、共産党が実質非合法化された米国では、民主党が共産主義者の受け皿になっているといえるだろう。もちろん、欧州同様、「人権・環境全体主義者」の勢力も無視できない。というよりも、両者は「同一の存在」と言ってもよいほどである。