米国のスタートアップ企業「SUN　METALON（サンメタロン）」は、コマツと鉄系研磨スラッジの新リサイクルプロセスで共同研究を開始した。金属加工の際に発生する研磨スラッジを加熱処理し高純度の金属資源へ再生するもので、コマツの氷見工場（富山県）にサンメタロンの実験機を設置し実用性の検証を進める。 　サンメタロンは、油や水といった不純物を金属廃棄物から効率的に除去する独自の金属加熱技術を持つ。これをコマツが造る耐摩耗性が高い高クロム鋳鉄製のシールリングで製造時に生じる研磨スラッジで活用。これまで再利用が困難だった研磨スラッジの再資源化を図る。 　サンメタロンとコマツは、熱処理プロセスを介し研磨スラッジから不純物を効果的に除去する技術の基礎評価をすでに完了した。今後、導入したサンメタロンの実験機で実証実験と実用性の検証を進める。 　コマツの氷見工場生産技術部は「年間150トン発生している研磨スラッジは再利用化の道が見いだせずにいたが、サンメタロンのリサイクルプロセスに接し課題の回答を見た思い。環境負荷低減や安全性の確保、高価な合金を材料へ戻す付加価値の高い技術として期待している」とコメント。 　サンメタロンの西岡和彦CEOは「金属産業が長年抱えていた課題に一石を投じるもの。今後も業界のリーディングカンパニーの皆さまと手を携え、金属産業の脱炭素化へ全力で取り組みたい」としている。