男性死亡…雇用する予定だった男に刺される 会社で襲いかかり流血「やられる前にやった」…男に懲役17年 男性から生活費も援助されていた男、300万円の返済を求められ襲撃 何度も包丁で突き刺して馬乗り
昨年8月、埼玉県三郷市の運送会社敷地内で実質的な経営者の大川幸一郎さん=当時(52)=を包丁で複数回刺して殺害したとして、殺人などの罪に問われた川口市の建設作業員内田洋輔被告(30)の裁判員裁判の判決公判が6日、さいたま地裁で開かれた。室橋雅仁裁判長は、「強固な殺意に基づく犯行」として懲役17年(求刑・懲役18年)を言い渡した。 ごみみてーな「愛妻弁当」だな…部下に言った上司、依願退職へ 用意された弁当、無許可で数百食食べていた
弁護側は「返済義務のない300万円の返済を自分や父に求められ、要求が厳しくなり、『自分や両親に危険が迫っている』と感じ、とっさに判断した」と主張。事件後に出頭するなど反省しているとして懲役13年が相当としていた。 判決理由で室橋裁判長は、大川さんを背後から突き刺し、馬乗りになって繰り返し刺した犯行と認定し、「危険で執拗(しつよう)」と指摘。大川さんから生活費の援助費用など300万円の返済を求められ、自分や親に危害が加えられる恐れから犯行に及んだとの供述については「当日、被害者から危害を加えられる危険性が差し迫っていたわけではない」とし、「短絡的に犯行に及んだ意思決定は厳しく非難されるべき」と述べた。 判決によると、内田被告は昨年8月29日午後9時ごろ、三郷市の会社敷地内で大川さんを包丁で複数回突き刺し、緊張性気胸により殺害した。 ■やられる前にやった(以下、初報記事) 2023年8月29日午後9時7分ごろ、三郷市番匠免1丁目の運送会社「AKトランス」の敷地内で、同社代表取締役の男性(52)=三郷市三郷1丁目=が刃物で刺されて倒れているのを同社従業員の60代男性が発見。「社長が包丁で刺された」と110番した。男性は腹部など上半身を負傷し、同日夜に搬送先の病院で死亡が確認された。吉川署は翌30日午前0時29分ごろ、殺人の疑いで三郷市番匠免1丁目地内の路上で自称アルバイトの男(29)=川口市末広1丁目=を逮捕。男は事件から約1時間後に川口署に出頭していた。
逮捕容疑は29日午後9時2分ごろ、三郷市番匠免1丁目地内の同社敷地内で男性の腹部などを刺し殺害した疑い。「間違いない」と容疑を認め「やられる前にやった」なとと供述しているという。 吉川署によると、2人は以前から面識があり、関係者の話では男性が同社で男を雇用する予定だったという。凶器の刃物は現場に残されていた。同署は2人の間に何らかのトラブルがあったとみて、事件の経緯や動機などを詳しく調べている。