32年乗るいすゞ「フローリアン」はサンコイチで復活! 学生時代から合計4台を買って愛し続ける理由とは
2台目は「頑固おやじの店」で購入
「1991年に旧車雑誌を見ていたら、今度は『頑固おやじの店!』というキャッチコピーを掲げているショップに70万円のフローリアンがあったので、ディーゼルエンジン仕様のフローリアンに乗って70万円のフローリアンを買いに行きました。フローリアンに乗ってくるとは殊勝なヤツだ! ということで値引きしてくれるかと思ったら頑固おやじには通用せず、定価で買うことになりましたが、少々高く下取りしてくれました」 このとき、頑固おやじから「君のフローリアンは教習車落ちだから、あんまり値段をつけられんのだがなぁ~」と言われたとのこと。売る間際になってようやく、店頭で10台販売、全塗装してくれた、少し出っ張ったバンパーのゴムがある、なぜか運転席でフットライトが点灯する、といった愛車の謎が解けたそうだ。 晴れて2台目のフローリアン(1982年式のS IIでガソリンエンジン仕様)を購入することができたのだが、2000年10月に突然不幸がやってきた。出先の長野で事故に遭ってしまい、愛車のフロントが瀕死状態になってしまったのだ。ここで宮下さんはあきらめなかったので今回取材できたわけだが、やはり、復活までの道のりは厳しいものになったらしい。
部品取り車2台を調達して愛車を復活させた
「フローリアンを手放すオーナーが千葉にいるとの情報が入り、これを6万円で購入。放置されていたのでボディが事前情報以上にサビサビでしたが、ボンネット、フロントマスク、フロントバンパーは使えそうだったので、鈑金屋さんに相談しつつ、なんとか積載車に積んで長野まで運びました。そして、ネットオークションで京都にある車検無しのフローリアンも購入し、こちらは2万円でした。このクリーム色のフローリアンも長野に運びました。半年後の3月末に完成し、新宿から鉄道に乗って引き取りに行ったのです。積載車で長野に向かうたびに、こんなに苦労するんだったら他のクルマを……と思ったこともありましたが、復活したフローリアンを見たら本当に修理してよかったと感無量でした」 プロポーションが好きでフローリアンを買い、部品取り車までを含めると合計で4台も買ってしまった宮下さんによると、車検時に整備するぐらいでそれほど壊れないとのことだったので、これからもコンベンショナルなファミリーカーの魅力を各地のイベントで披露し、説いていくことになるだろう。
高桑秀典