「別学は埼玉の特色」県立高校の共学化問題で県議は反対が多数 有志団体がアンケート
12校の男女別学校がある埼玉県立高校の共学化問題をめぐり、共学化に反対する有志団体が県議会議員に実施したアンケートの結果が分かった。92人いる県議のうち回答のあったのは36人で、このうち共学化に賛成していたのは5人にとどまっていた。制度上、共学化について県議会が関与する余地は少ないが、団体関係者は「県議の考えを知りたい。さらに、自分たちの考えを県議に説明する際に必要だと思いアンケートを実施した」としている。 【写真】名門男子校として全国的にも知られる浦和高校 アンケートを実施したのは「埼玉県内高等学校連携有志」。県内約50校の公立高校卒業生や保護者有志が参加しており、インターネットで共学化反対の署名活動を行うなどしている。 アンケートは5月1日までに県議に届くように送り、同月7日までの回答を求めていた。質問項目は共学化に①賛成②反対③どちらでもない-などとその理由を聞いている。 ■共産も早急な共学化には疑問 会派別で回答者数をみると、最大会派の自民(57人)は3人にとどまった。それ以外では民主フォーラム(12人)が11人回答。無所属県民会議(7人)▽無所属(3人)は全員が回答し、公明(9人)と共産(3人)は会派として回答した。無所属改革の会(1人)の回答はなかった。 回答は共学化賛成が5人、反対が15人、どちらでもないが16人となった。賛成と回答したのは共産と民主フォーラムの2人。ただ、共産は理由として「歴史的背景、ジェンダー平等の進展から別学を望む者もいる。急ぐことなく共学化を進めるべきだ」などとしており、早急な共学化には疑問を残した。 一方反対の意見では「別学教育は埼玉の特色。共学化に断固反対」(無所属県民会議議員)、「特色のある学校の存在が大切」(民主フォーラム)などとなった。回答が少なかった自民は回答してきた3人とも共学化反対だった。 公明は「どちらでもない」で、「ジェンダー平等も伝統尊重も理解。単に共学の是非ではない。今後在校生・保護者・卒業生意見を聞き合意形成を図りながら議論を進める」との理由を挙げていた。 共学化問題の決定権は県教育委員会にある。ただ、県教委の決定について賛成、反対の立場からの請願などが県議会に提出されることも予想される。