大谷翔平が「インスタグラムで発信」を始めた背景 目立つことを好まないスター選手の心持ちとは
キャンプ中断以降で初めての会見。3日のキャンプ再開までに実戦形式の投球練習を週に一度行い、最多で60球ほど投げていたという。 右肘に負担をかけない投球フォームのテーマは「よりシンプルにしたい」。打者では今春のキャンプでは右足を上げるフォームを試したが、昨季同様上げないとし「(60試合制で)短いですし、飛ばせるだけ飛ばして(投打)両方しっかりやりたい」と繰り返し話した。 7月7日。大谷は本拠地で行われた特別ルールの紅白戦で先発。打者10人に50球を投じ、7四球を与えた。結果は出なかったが、右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)前の2018年9月2日のアストロズ戦以来、674日ぶりの実戦登板が無事に終了。完全復活に向けた大きな一歩となった。
登板後のオンライン会見。大谷の表情が少しだけ明るくなった。「問題なく球数を投げられたので良かった。(腕を振る)怖さは特になかった」と素直に投手復帰を喜んだ。 674日ぶり実戦登板。3回50球をメドとし、15球程度で攻守交代の特別ルールが敷かれた。 初回は四球や暴投で1死一、三塁となって打ち切り。2回は2者連続四球から、ラステラに右中間適時打を打たれ終了した。3回も修正できず、先頭から3者連続四球(レンドンへの死球がボール扱い)を与え、1死も取れず降板となった。
結果だけを見れば散々な内容。だが、この日の収穫は「投げた」ことだ。「もちろん思い切り投げにいっていない。右打者中心で置きにいってしまったのが強い。術後明けの不安というより、そういう面が大きかった」と大谷。 打者と10度の対戦で右打者が8度。抜け球の死球を恐れ、「ブルペンとは全然違う。味方に投げる経験も(2018年のキャンプ以来)ないので、そこら辺は違いがある」と分析する。ジョー・マドン監督も「何も心配はないし、警報を鳴らすこともない」と信頼する。
コロナ禍の影響で現場に行けない私はSNSの映像などでチェックしながら、現地で取材する通信員と意見をすりあわせ、原稿を進めた。
柳原 直之 :スポーツニッポン新聞社MLB担当記者