大谷翔平が「インスタグラムで発信」を始めた背景 目立つことを好まないスター選手の心持ちとは
初投稿は自身のメジャー初本塁打時にサイレント・トリートメントで祝福された動画を添えて「Hope my welcome to Instagram party goes better than this(インスタグラム開設が“これ”より歓迎されることを望んでいます)」と、英語で粋なメッセージを送った。 その2日後に「ライブBP」に登板した動画を投稿した。 私を含めた日米メディアが次々に速報した。「意外だった」と記したが、コロナ禍で開幕が延期となり、ある程度、自分の時間が取れるようになったことが一番の理由だろう。これまで大谷は忙しすぎた。
大谷がSNSの更新に割く時間はこれまでなかった。割く必要性もなかったのかもしれない。ファンサービスに熱心な選手だが、基本的に目立つことは好まないからだ。 ただ、当時、インスタグラムのストーリーズという機能を利用し、「主に野球関連の投稿をアップしていく予定です。これから皆さんと野球を通じて繋がるのを楽しみにしています」とつづった。 もちろん、野球に全力を注いでいる。一方、ファンあってのプロ野球は海を越えても同じ。開幕が延期となり、何か思うところがあったのかもしれない。
2013~2018年までエンゼルスの地元紙オレンジ・カウンティ・レジスター紙で、英語記事を執筆していた志村朋哉氏はこんなことを話していた。 「大谷選手が全米レベルでスターになるには、思ったことを積極的に発言することが大事です。野球に興味のない人は選手の人間性や生き方に興味を持ち、“応援したい”という気持ちになるからです」 プロバスケットボールNBAのレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レーカーズ)もそう、女子テニスのセリーナ・ウィリアムズもそうだ。大谷は大スターだが、前述の2選手のように競技の枠を越え、全米レベルで突き抜けた存在になるため、今後は社会に強いメッセージを発信し続けることが大事だという。