アーティスト・田名網敬一さん「くも膜下出血」で逝去 前兆となる5つの症状を医師が解説
すぐに病院へ行くべき「くも膜下出血の前兆」
「突然の強い頭痛の2回目が見られた場合は、救急科へ」 先述の前兆症状である強い頭痛から時間を空けて、再び症状がでた場合を指します。この場合、脳動脈瘤からの再出血という可能性が考えられます。再出血を起こした場合、非常に予後(病状についての今後の見通し)は悪く、致死率も非常に高くなります。 そのためこれまで紹介してきた前兆症状があった際も基本的には緊急で受診する必要がありました。このような症状が見られた際は、すぐその場で救急要請してください。一刻を争う事態です。 「受診・予防の目安となる「くも膜下出血の前兆」のセルフチェック法」 ・頭痛症状がある場合 ・吐き気・嘔吐症状がある場合 ・視力障害がある場合
くも膜下出血の前兆となる症状を予防する方法
「脳ドック、生活習慣の見直し」 くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤破裂によるものです。今回は脳動脈瘤破裂をどうすれば予防できるかと言う点について説明します。まず、脳動脈瘤がご自身にあるかどうか、またその動脈瘤は破裂リスクが高いのか、という点を調べる必要があります。 脳動脈瘤そのものには自覚症状はありませんので、検査で探しに行く必要があります。おすすめは脳ドックです。MRI検査で首から頭の先まで検査して主に頚部から脳への血管を調べます。 もし脳動脈瘤が指摘され、手術ではなく様子を見るという方針になった場合は、破裂リスクを抑えることが重要です。破裂リスクは高血圧や喫煙、アルコール過剰摂取などが報告されています。 禁煙やお酒の量を控えることは有効な予防法になります。また普段から血圧を記録するようにして、基準値より高い値が続くようであれば内服薬で治療しましょう。 食事では、バランスの良い食事を心がけるのは当然ですが、特に塩分量に注目してください。日本人の平均的な和食を食べると、基本的に塩分は過剰になっており高血圧につながります。普段より薄味を心がけましょう。
「くも膜下出血の前兆」についてよくある質問
Q.くも膜下出血の前兆となる症状を発症しやすい季節はありますか? 中川先生: 冬の寒い季節は、くも膜下出血は起こりやすいとされています。体の熱を逃さないように、血管は「しまる」傾向になります。その結果、血圧は上がりやすくなり、くも膜下出血を含めた脳卒中全体が多い季節となります。 Q.くも膜下出血の前兆となる頭痛にはどんな痛みの特徴がありますか? 中川先生: 突然出現した頭痛というのが特徴です。突然と言うのは、何をしていた時か明確にわかる、というものです。痛みの性質自体(どんな痛みか)や持続時間は非常に多彩で、断定はできません。 Q.くも膜下出血の前兆となる症状と血圧に相関関係はありますか? 中川先生: 血圧も相関します。やはり高血圧が続くと、くも膜下出血とその前の少量の出血は起こりやすくなります。また前兆症状として、血圧の乱高下も特徴的です。