【オーストラリア】豪インフレ、先進国で2番目に高水準=IMF
オーストラリアの来年の期待インフレ率が、スロバキアに次いで42カ国中2番目に高いことが、国際通貨基金(IMF)の報告で分かった。インフレ抑制に向け、オーストラリア政府とオーストラリア連邦準備銀行(RBA)にさらなる圧力がかかっている。オーストラリアンなどが報じた。 報告は20カ国・地域(G20)財務相、および世界銀行とIMFの会合を前に発表された。 IMFは、世界的にはインフレとの闘いに勝利したとの見方を示した。2024年と25年の世界経済の成長見通しは3.2%としている。 ただ、オーストラリアは例外で、25年の同国の消費者物価指数(CPI)予測を、4月に発表した2.8%から3.6%に上方修正した。政府の生活費補助策により24年末までに3%に鈍化するものの、政策終了後に再度加速するとみている。また、24年の経済成長率予測は、1.5%から1.2%に下方修正した。 ■来年経済は雇用と貿易に課題 失業率は現在の4.1%から、25年には4.4%まで上昇すると予測している。 オーストラリアの最大貿易相手国である中国や、米国でも経済成長は鈍化する見通し。米国については、大統領選で共和党のトランプ候補が勝利した場合に各種政策が変更され世界経済に混乱を与えるとして懸念が高まっている。 オーストラリアのチャルマーズ財相は、日本の加藤勝信財務相らとともに同会合に参加する予定。 ■年金部門が経済リスク IMFは 3兆9,000億豪ドル(約396兆円)規模に急成長したオーストラリアのスーパーアニュエーション(退職年金)部門が同国の主要な金融リスクになっていると指摘した。労働者が貯蓄をスーパーからプライベートエクイティやプライベートクレジットなど流動性の高い資産クラスに簡単に移動させることができるため、金融市場低迷時の影響が増大する可能性が高いという。