「射精はしていません」トー横キッズに性的暴行の元衆院議員・椎木保被告が法廷で語った玉虫色の答弁
中学1年生の女子生徒に性交を持ちかけ…
中学1年の女子生徒に性的暴行を加えたとして不同意性交罪に問われた元衆院議員の椎木保被告(しいきたもつ・58)の公判が’24年12月24日、東京地裁で開かれた。 【わいせつ校長の素顔】生徒へのわいせつ行為で懲役9年の判決を受けた元校長の素顔 起訴状によると、椎木保被告は’24年8月20日、東京・歌舞伎町のカラオケ店で13歳未満と知りながら、女子生徒の唇にキスをしたり、胸を触るなどの性的暴行に及んだという。 椎木被告は、中学・高校の教師を務め、教育委員会にも勤務するなど、長年、教育の現場に身を置いていた。その経験を生かし’12年の衆院選で旧日本維新の会から千葉13区で立候補し、比例復活で初当選。衆議院議員を2期務めている。 ’24年9月9日の逮捕直後は容疑を否定していたが、’24年12月5日の初公判では、起訴事実について「間違いございません」と認めている。グレーのスウェットに腰縄姿で、薄くなった白髪混じりの頭をうなだれさせた姿に国会議員の面影はなかった。 「’24年12月24日は一転して黒のスーツ姿で、染め直したと思われる髪は黒々としていました。満席の傍聴席から向けられる視線に耐えかねたのか、開廷を待つ椎木被告の銀ぶちメガネの奥の瞳はさまよい、神経質そうに眉を動かしていましたね。それなのに被告人質問が始まると、起訴事実を認めているにも関わらず、動機や、その当時の記憶に関しては、国会議員さながらの玉虫色の答弁を繰り返したのです」(全国紙社会部記者) 検察の冒頭陳述によると、椎木被告は、家出をしてトー横にいた女子生徒に金銭による性交を持ちかけ、ドン・キホーテのアダルトグッズコーナーでローションを購入。さらにカラオケ店には偽名で入店していた。この日行われた被告人質問の冒頭で今の心境を聞かれた椎木被告は、 「日々反省を繰り返しています。本当に申し訳ない。この一言に突きます」 と反省の言葉を口にしたが、検察の質問に対する発言は、終始、本当に反省しているのか、疑問を感じざるを得ない内容だった。 ◆「射精はしていません」 「椎木被告が女子生徒と一緒に入店した際に、親子のように見えなかったことから不審に思った店員が名前と電話番号を求めると、椎木被告は『イワタ』という偽名を伝えています。店員は、念のため人通りが多く、通路から室内が見やすい部屋に案内。しばらくして様子を見に行くと、椎木被告と女子生徒が裸で抱き合っている姿を目撃したのです。それで、110番通報したといいます。椎木被告は、駆け付けた警察の調べに応じず、名刺を渡して現場から立ち去りました」(捜査関係者) 検察からなぜ女子生徒に声を掛けたのかと問われ椎木被告は、 「家出だと思いなんとかしてあげたい。(女子生徒は)話し相手を求めている」 と述べた。女子生徒の話を聞くためにカラオケ店に行くことになったが、その途中、ドン・キホーテでローションを購入している。その理由について、 「カラオケ店で使うことを想定していたと思います。(取り調べで)証拠写真を見るまで自分の行動に気付かなかった」 と、ローションを購入したこと自体、覚えていなかったと発言。また、カラオケ店で偽名使った点についても、 「(国会議員の)現職の時も偽名を使う機会が多く、ごくごく自然に使っていた。飲食店の予約の時も椎木という名前が聞きづらいために使用していた」 と日常的に使っていたと弁明。そして、入店後すぐに性交に及んでいる。 「女子生徒がグレープフルーツジュースを飲みたいと言って2杯注文しました。ドリンクが届いて、性交の流れになりました」 犯行同期については、 「受け答えがしっかして礼儀正しい。精神的にしっかりして大人びたというか魔が差した。あの時だけはそういう世界に入ってしまった」 と、独特な表現で釈明した。「射精はしていません」ときっぱりと否定したが、 「58年の人生の中で、あの行動だけは『違う自分』がいたようだった」 と、あくまで別人格がいたような口ぶりだった。 ◆金銭は「タクシー代のつもり」 また、被害者の供述書によると、椎木被告は女子生徒に対し、≪2万円をあげるから遊べない?≫と持ちかけたということだが、そのことについては、 「失念しているところはあるが、女子生徒の記憶していることは間違いないと思います」 と明確な回答はしなかった。 椎木被告が女性生徒に渡したのは1万円だったが、これも、 「タクシー代のつもりで渡したつもりでした」 と、あくまで買春目的ではないとした。「(自分に)責任はある」という発言をしながらも、肝心な部分では記憶を忘れ、女子生徒の供述任せという見せかけの反省はなんとも往生際が悪いとしか言いようがない。検察は、 「被害者の未熟な判断力に乗じて自らの性的欲望を充足させるための犯行は卑劣かつ悪質。事実に向き合っているものの供述態度は十分とは言えない」 として懲役5年を求刑。顔を紅潮させた椎木被告は天を仰いだ。一方の弁護側は「反省の意思を示し、二度としないと約束している」、「被害者と示談が成立していて、被害弁償金も支払い済み」として執行猶予付き判決を求めた。 「最後に何か言いたいことはないか」と問われると、 「教師、国政の道は閉ざされたと思いますが、これまでの経験を生かし社会、国のために縁の下の力になれるように努力していきたいと思います」 と述べたが、まずは、しっかりと自分の犯した罪を自覚するところから始めてほしい。判決は2月3日に言い渡される。
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